社会保険料は会社が半分負担するから得って本当?嘘?

「会社員って社会保険の半分は会社が負担してくれるからいいよね」
これはフリーランスで働く知り合いの言葉です。

気になって会社員の友人に聞くと
「そりゃそうでしょ。全額負担しろって言われたら厳しいよ」と言っていた。

皆さんはどう思いますか?
会社が半分負担してくれたら嬉しいですか?

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

会社が社会保険料を半分負担したら嬉しい?

社会保険とは健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険です。

この中で負担が大きいのは「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」であり、これらは会社と折半です。

会社と個人で半分にすることを「労使折半」と言ったりします。

 

もしも会社が全額負担になったらどうなるでしょう?

給料明細の社会保険料がゼロ円になり、その分だけ給料が減ります。
ただ手取りは変わりません。

 

逆に個人が全額負担になればどうなるのでしょう?

騙そうとする会社ではない限り、給料明細の社会保険料が倍になり、その分だけ給料の総支給が増えます。
手取りは変わりません。

つまり会社と個人がどんな負担割合でも見え方が変わるだけで手取りは変わりません。

 

また会社の人件費も変わりません。

人件費とは「雇用によって発生する費用」のことです。
会社が払う社会保険料給料同じ人件費」なのです。

 

まとめると負担割合がどう変化しても「会社の人件費」も「個人の手取り」も変わらないということです

 

これって不思議じゃないですか?
会社の人件費も手取りも変わらないのに、なぜわざわざ「半分は会社」「半分は個人」というややこしい方式なのでしょう?

 

社会保険の労使折半は目くらましか

会社と個人を折半で負担させているように見せるのには、目的があると思います。

考えられる目的は・・・。

 

まずは「社会保険料の負担を小さく見せる効果」。
全て個人負担になれば総支給が増えるが、社会保険料が倍額になるので高額負担に見えます。

給料明細の社会保険料が5万円から10万円に変わったら「え?こんなに高いの?」と感じるでしょう。

 

また政治の決定で、負担を増やしたときも負担が大きく感じます。

会社が半分負担の場合は、負担が増えても「それほど大きな金額ではない」ように見え「会社が半分負担するから、まぁいいか」と思えます。

 

また会社側にもメリットがあるのではないでしょうか。

私の知り合いのように「会社員は社会保険の半分は会社が負担してくれている」と思う人がいます。
言い方を変えれば「会社員は会社から恩恵を受けている」という趣旨です。

本当は恩恵はありません。
会社の負担もありません。

個人が労働の対価として得た人件費の中から「会社の負担分」と「個人の負担分」に振り分けているだけなので

しかし恩恵があるように感じてしまいます。

労使折半にしている理由は「個人に社会保険料を小さく見せるため」「負担を上げたときに小さく見えるため」「会社の恩恵があるかのように見せるため」ではないでしょうか。

 

どんどん上がる社会保険料の推移

皆さんは社会保険料がどんどん上がっているのを知っていますか?

下記のグラフは「社会保障費と国民所得の割合」です。

このグラフは「年金、医療保険、介護保険などの社会保障負担」と「国民所得(企業の利益と賃金の合計)」の比率なので、ざっくりの目安ですが、右肩上がりに増えているのが分かります。

近年の2010年~2020の上昇率は高く4.1も上がっています。

 

そして税率を見ても上がってます。

下記のグラフは「厚生年金料率+健康保険料率(けんぽの平均)+介護保険料率」の合計です。

 

厚生年金は2003年から制度が大きく変わったので、グラフは2003年から2021年になっています。

2003年は22.7%
2021年は30.1%

この間に7.4%上がりました。

個人の給料から引かれるのは半分です。

ただし前にも述べたように、会社の負担分も「労働の対価として得た人件費」なので、個人が払っているようなものです

(更に所得税や住民税が取られます。消費するときは消費税)

この社会保険の負担をどれだけの人が気付いているのでしょ?
気付いてない人が多いなら、原因は「労使折半の仕組み」のせいではないでしょうか。

 

おさらい

・社会保障の会社負担とは、よく考えれば人件費の一部
・人件費は労働したことで得た対価
・よって会社の負担分も結局は個人が払っているようなもの