コロナ検査データを見て異常がないと思う人がいるのか?

これを書いているのは、2020年4月24日。
ニュースは、ほぼコロナ関係になっている。

初めの頃は「インフルエンザなどと比べて、致死率が低く、無症状も多い」と言う人もいて、楽観論として「なんだ、大したことがない」という声があった。

ところが結果は真逆。
無症状、症状が軽い人が多いからこそ、感染の広がりが止まらなくなっている。

そして例え致死率が低くとしても、感染者が増えれば死者は増える。

もはや皆さんも他人事ではないと思う。
私もそう思って検査人数や感染者のデータを調べたら、びっくりした。

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異常なPCR検査数と感染者数の割合

下記の表は「PCR検査数が多い都道府県トップ10」を並べたもの。
厚生労働省が公表しているデータから3月25日~4月21日をピックアップした。

見て欲しいのは右にある「PCR検査を受けた人の中で感染していた人の割合」(薄いオレンジ部分)

PCR検査数と感染者の割合

表のオレンジ部分を見ると都道府県ごとに、異常なほどに差がある。

東京は49%を超える。

「100人検査したら49人が感染している」ということになる。
茨城県は「100人検査したら5人感染している」ので、その差は約10倍になる。

東京と茨城県は最短で40km程度しか離れていないが10倍の差。

茨城県の数字が異常に低いわけではない。
PCR検査数が11位以下の都道府県の平均値を出すと5.6%である。

PCR検査数と感染者の割合(11位以下)

(注:上記のグラフも対象日は3月25日~4月21日です)

 

ただし厚生労働省のデータを見るときに一つ注意がある。

東京の検査人数は、民間検査(保険適応分)の数字を含んでいない。
(感染者の方は民間の数字を含んでいる)

民間検査の検査人数は100人かもしれないし、1000人かもしれないし、1万人かも分からない。

東京だけ「PCR検査を受けた人で感染していた人の割合」の数字が不明である。

以前は千葉、神奈川、大阪も「検査人数」が不明で「検査数」を発表していた。
検査数は、同じ人を複数回検査しているので、検査人数と同じにはならない。

しかし改善されていき、3月23日以降は東京都だけが残された。
その後、4月半ばを過ぎても未だに改善されず。

 

これは厚生労働省の指導不足なのか、指導しても東京都だけが直さないのか、それとも何か原因があるのか、情報が流れてこない。

「東京だけは何人検査しているのか分からない」という状況を異常だと思わない人がいるだろうか?

 

もはや「意味がない」感染者数のみの報道

テレビやネットニュースを見ていると「本日は○○県で感染者は○○件」と報道している。

「感染者数にどれだけの意味があるのか?」と疑問に思う。

感染者数は検査人数に依存する。
検査人数が少なければ、感染者は少なくなるのは当たり前。

 

だが、政府クラスター対策の専門家が「東京は自粛要請後、感染者数の増加は鈍化している」と言っているのを聞いて、目眩がした(4月22日の報道)。

「東京都の検査人数は分からないので、感染者の増加しているか分からない」としか答えられないはず。

 

私の仕事はものづくりです。

部品の1000個検査して、10個の不良品を見つけたとする。
翌日も1000個検査して、15個の不良品。
その翌日は、検査数が分からないが、15個の不良品が発見したとする。

そのときに「不良品の増加は鈍化している」と連絡を受けたら「はぁ?」と答える。

その「はぁ?」のレベルが、日本でトップレベルであろう専門家である。
そしてメディアは一斉に「鈍化している」と報道。

私の同僚に口が悪い人がいて、その人に同じことを言ったら「やる気ないだろ?うちに帰っていいよ」と言われているだろう。

 

そもそもザツ過ぎる。厚生労働省のコロナ関連データ

そもそもの話。

コロナ関連のデータは厚生労働省が集計してホームページに公開している。

下記のように「累計期間」が書かれ、その下に都道府県別に「陽性者数(感染者)」と「検査人数」が書かれている。

コロナウイルス陽性者(厚生労働省データ)

このデータは間違いが多すぎる。
なぜ間違いと気付けるかというと、累計なのに数字が下がっているからである。

累計が下がるという間違いの数は、3月25日~4月21日までの28日間に15ヶ所。

いきなり累積の検査数が200以上も減るときもある。

累積検査数が減る

28日で15ヶ所ということは、2日に1ヶ所以上のペースで間違える。
そして過去のミスは放置され修正されることもなく、資料には作成者や確認者のサインもない。

元データが見れない人が気付けるなら、更に倍のミスがあっても不思議ではない。

もうね・・・「仕事が雑」という言葉ですら優しすぎる。
仕事のレベルがギャグである。

このデータを見て分析して、次なる手を検討している人は、呆れてやる気を失うだろう。
「見ているデータに信用性が無いなら、私たちは一体何を分析しているのか?」と。

 

慶応病院が発表した「興味深い数字」

慶応大病院では、コロナと関係なく入院する患者67人に対してPCR検査を行った。
院内感染を防ぐために、行ったと推測される。

その結果は、67人の中で4人が感染してた。

この人達は「無症状であり、院外や市中で感染したと考えられる」と発表された。

感染率は6%になる。
無症状の100人いたら、6人が感染しているという割合。

 

この割合は67人しか分しかデータはなく、精度が高いとは言えない。
しかしランダム検査は行われず、他に頼れるデータがないのも事実。

もしこの6%という数字に信ぴょう性があると仮定すると・・・

東京の人口密度が高い23区の人口が956万人。
このうちの6%は57万人・・・。

さすがに他国の死亡率を見ると、57万人が感染しているとは思えないが、調査してないので否定することもできない。

一番の問題は「現状の把握すらできていない」ということ。

改善の一歩目は現状把握。
現状把握ができないと対策の効果は運任せになる。

何人の人が感染しているか推定も出来ずに、どうやって対策するのか?

軽症の人が泊まる必要なホテルの部屋数も分からず。
人工呼吸器の必要数も分からず。

医者や看護師の必要人数が分からないから、他県からの応援が必要かどうかも分からない。

現状把握もできないまま、対策しようとすることが異常な事態である。

 

感染経路を居酒屋系と強調する不思議

東京都は3月30日の報道で「感染経路が不明な症例うち、居酒屋が疑われる」と発表した。
具体的な業種として「キャバクラ、バー、ナイトクラブ、酒場」をあげていた。

けどね。

3月11日の時点でNTTのコールセンター感染者が出ていた。
従業員は600人。

その中で60人を検査して、10人が感染していると分かったのが3月18日。

コールセンターを見たことある人は知っていると思うが、密集地帯で話っぱなし。
ましてや東京は高層ビルが多く、風が強いので窓も開けられない。

少なくても居酒屋は「疑われる」状態。
コールセンターで感染が広がったのは「疑い」ではなく「確実」。

けどコールセンターはスルー。
専門家も口にしない。

私は「コールセンターが悪いとか、大手のNTTだから隠した」とか言いたいわけではなく「感染経路は職場である」ということ伝えないのが不思議。

その仕事が「休める、休めない」、人数を「減らせる、減らせない」は別として、事実は事実として伝えないと。

本当は多くの人が分かっていると思う。
感染する可能性が高いのは「職場や通勤」だと。

 

「接触を8割削減」と言うだけなら簡単

緊急事態宣言を出したトップバッターは東京。

特定の業種に対して休業の要請をしている。
その業種は、娯楽系、飲食系、教育系である。

この業種は働く人の全体で見れば一部。

政府もメディアも繰り返し「人と人の積極を8割削減して下さい」と言っているが、多くの人は休業の対象ではない。

もし「プライベート限定」なら、私は「8割削減は可能です」と答える。
しかし「仕事も含めて」と言われた時点で「8割は現実的ではない」と答える。

「テレワーク」と言われたところで、普通のパソコンと電話があれば、できる仕事ばかりではない。
会社が普通に開業している限り、どうにもならない。

 

やるとするなら案は2つ。
1つは全ての業種を週休1日にする。

5日ある通勤日数が1日になり、出勤の曜日がバラバラにすることで80%減になる。

ただし病院も?食品も?運輸も?と考えると休むことは不可能。

 

もうひとつは80%の仕事は休業にすること。
逆を言うと必要な20%の業種や会社を絞って、残りは休ませること。

ただしこの場合は、短期勝負にしないと物が不足し物価が上昇する。

休業の足かせになっているのは補償。
休業して倒産するなら休業はできない。
(人件費は補償により会社は10%負担(但し、金額に上限値があり)になっているが、その他の固定費はマイナスになるので資金が乏しい会社は苦しい)

この問題が解決できないなら「8割の接触を削減」は絵に描いた餅。

少なくても「娯楽系、飲食系、教育系で何割の人の接触を防げる。加えて不要不急の外出を控えると何割が防げる」という絵に描いた餅を否定する積み上げたロジックはない。

みんなに50m走を6秒台で走れと言われても、できる人もいれば、できない人もいる。
できない人に「お願い、頑張れ」と繰り返し伝えてもできない。

そんな状況で「自粛して8割の削減を」と言う政治家やメディアを見ていると「方法や実効性を考えず、言うだけなら簡単だよな」と思う。

「8割の人の接触を削減しないと感染は収束しない」という情報が正確なら、緊急事態宣言は続く。

その間に多くの人が感染で亡くなったり、経済の影響で亡くなる人がいなければ良いだが。

 

「うちの県に来るな」と言う前に

政治家や知事はGWに「県から出るな」「うちの県に来るな」と言っている。

「先に言うべき言葉があるんじゃない?」と思うのは私だけでしょうか?

感染者が急増しているのは東京、大阪などの大都会。
効率な都市を目指した結果、もっとも感染に弱くになっている。

医者、看護師、保健師のマンパワーや医療設備を「医療資源」と呼ぶなら、資源が枯渇しないように分散すべきではないでしょうか?

つまり政治家が言うべき言葉は「感染した人は、医師の許可を得た上で、どうぞ帰って来て下さい。うちの県にある病院で受け入れます」ではないだろうか?

私も地方にいるので、帰って来られる側としては心配なのは分かる。
どれだけ細心の注意したとしても、感染を広めるリスクはゼロにはならないのも知っている。

けどさ。
このままだと東京や大阪の人が、まともな医療を受けられず死んじゃうよって。

政治家には、緊急時に都道府県でさえ助け合う発想がないのか?
とは言え、政治家は私たちの写し鏡です。

もしあなたの都道府県で「都会の危機を助けるため、帰省してもらい感染者を受け入れる」と言ったらどうしますか?

その答えは、あなたが助けを求めたときに返される言葉ではないでしょうか。