皆さんは仕事を家に持ち帰っていませんか?
会社に「残業するな」と言われていませんか?
私は持ち帰った事はあります。
しかし出来るだけ避けるようにしています。
私の周りでも仕事を持ち帰る人が増えてる。
自分の会社も周りの友人、知人も。
個人の自由なのですが、家に持ち帰るリスクをご存知ですか?
なぜ会社が残業を規制した?
会社が「残業するな」と言い出し始めたのは2010年ごろからでしょうか。
これには複数の要因がある。
1つめは残業代不払いに対する請求の多さ。
2008年のリーマンショック前は年間で約200億のサービス残業代を支払い、それ以降も120億前後になっている。
(2017年に突出しているのは、ヤマトホールディングス(ヤマト運輸)が230億円、電通が24億、エイベックスが7億と大手企業が集まった結果)
2つは長時間労働による過労死やうつ病。
労災の状況を見ると請求件数、決定件数は右肩上がり。
ただし支給認定率は2012年をピークに下がり続けている。
これは「仕事とは関係がないと認定されやすくなった」のか「仕事だと証明ができない人が増えたのか」のか「過剰な請求が増えた」のか、正確な理由は分からない。
3つめは日本では「売上が上がらない」ことを経営者は知っているから。
日本はもう何十年も不景気。
良いものを作っても、値段が高ければ売れない。
むしろ安いものが売れるので、消費支出は緩やかに下り続けている。
国内企業の売上は、国内だけではなく海外の影響を受けるが、長い目で見ると売上はほぼ横ばい状態。
売上が上がらない状態で、利益を上げるには、支出を減らすしかない。
それが人件費であり残業代である。
ただ費用を掛けない効率化で、労働時間が簡単に減らせるわけではない。
仕事の効率化ができないのであれば「無理でも残業規制してまえ」である。
そうしたら今度は、本当に仕事が終わらなくなる。
だから自宅残業が増えている。
「過度な残業規制」=「持ち帰り残業の推進」になっている。
けれど会社は「自宅に持ち帰って残業しろ」とは言えないから
- 働き方の多様化
- 働き方改革
- ワークライフバランス
なんて言葉が使われる。
働く人の中には「会社から『残業するな』とうるさく言われるなら、家で仕事したほうがマシ」と思う人がいる。
そのことによるリスクを知ってほしい。
自宅で持ち帰り残業のリスク
自宅で持ち帰って残業することは、会社でサービス残業するよりリスクが高い。
それは残業の捕捉が難しいこと。
サービス残業であってもタイムカードを切ってなければ記録が残る。
同じパソコンを使っていれば、スタートアップやシャットダウン記録が残る。
そして会社で残業していれば、同僚はだいたい何時に帰っているか分かる。
これらが無くなると客観的な事実が分からない。
分からないなら責任もない。
もし長時間労働で体を壊したとき、精神的にやられたときに泣き寝入りすることになる。
「まさか私はそうはならない」は思い込みは捨ててほしい。
まさかあの友人がうつ病?
私の友人でうつ病になり5年も仕事ができない人がいる。
最近は寝たきりとまでは言わないが、主食かと思うほど薬を飲み続けている。
その友人の性格は気が強く喧嘩っ早い。
最もうつ病になりにくいタイプだと思っていた。
最初の頃は本当にひどくて、コンビニでお釣りが出せなくなった。
人が怖いのではなく、計算ができない。
「850円になります」と言われたら「1000円を出せば足りる」というのは小学生でも分かる。
これが出来なくなった。
本人が言うには、原因はパワハラだと言う。
ただ、うつ病になる原因は複合的。
長時間労働というのがベースにあり、ストレスの逃げ場がなくなり、仕事のプレッシャーを感じて、プライベートで良くないことがあり、最後に引き金を引いたのがパワハラ。
私は「自分は絶対にうつ病にならない」と思っていたが、「運が悪くたまたま複合的な要因が積み重なったら分からない」と思うきっかけになった。
労働組合が「残業させろ」という逆転の時代
これも私の友人の会社で起きている話(なんだか友人の話ばかり)。
友人の会社の労働組合が新しい動きをしている。
以前は「残業減らしてほしい」という主張だったが、今は「残業を認めてほしい」と主張している。
友人は「仕事タラタラやってるのに、残業代を稼ごうとしてんじゃねー」と不満を言ってた。
もちろんそういう人もいるし、友人の気持ちも分かる。
けど全員ががむしゃらに仕事する「仕事人間」だらけだったら、人の集団としておかしいし、むしろ息苦しい会社になる。
逆に全員がタラタラもありえない。
もしかするとタラタラの人が「残業を認めてほしい」という人の中心なのかもしれないが、それでも助かっている人はいると思う。
助かった人が自覚できてるかどうかは別として。
同調圧力や慣れに負けるな
私が社会に出たときは、当たり前のようにサービス残業があった。
会社の先輩もやっていたし、それが当たり前だった。
だからそれに慣れてしまった。
けどある時「サービス残業ってなんだ?」と本質を考えたら、どう考えても泥棒。
会社の存続のためとか理由は色々あるだろうが、人の金を取ったら泥棒だよ。
その泥棒が巧妙な手口を使いだしたのが、自宅への持ち帰り残業。
そう考えると「それで良いの?」って思いませんか?
だから自分の中でルールを決めよう。
私が決めたルールは、周りからの同調圧力や上司からプレッシャーに負けずにシカトする。
けど自分のポカやお客が本当に困っている、この場合のみ「自宅で仕事しても良いかもという余地がある」と。
「良いかもという余地」ってすごくぼかした表現でしょ?
要は絶対に譲らない線だけ作って、あとは状況次第。
そうでもしないとあなたが潰される。
同調圧力や慣れに負けるな。
どうしても負けるようなら転職を考えないと。