今回は、クレジットカード(キャッシュレス)の仕組みについて。
私がクレジットカードを作ったのは転職を考えたとき。
友人に「転職したらしばらくはクレジットカード作れないよ」と聞いて、よく仕組みを知らずに作った。
(昔は転職する人が少数だから、こんな噂があるが今は転職する人が多いので、転職が原因でクレジットカードが作れない事はあまりないらしい)
クレジットカードの魅力はなんといってもポイント還元。
還元率は1%~0.5%ぐらいが相場。
特殊な使い方をすれば、2%~3%の高い還元率になるクレカもある。
チリも積もれば山となり、気づかないうちに意外とポイントは溜まっている。
私はこのポイントで「ラッキー。得した」と思っていた。
そして「1回払いしかしない自分に損はない」と思っていた。
しかし、よくよくクレジットカードの仕組みを知ると「なんだ?このクソみたいな仕組みは」と感じた。
私は声を大にして言いたい。
「できるだけクレジットカードは使うな」と。
それは誰のためでもなく、あなたの為に。
クレジットカードの不思議な仕組み
まずはクレジットカードの仕組みをざっくり説明する。
クレジットカードを使うと、購入したお店にはすぐに現金が入らない。
お店は商品を売ってから、ざっくり2ヶ月後遅れでお金を受け取ることになる。
すぐに受け取れるはずの現金が遅延するということは、その期間は「借金をしている」ことになる。
誰が誰に借金しているかと言うと。
・消費者はクレジットカード会社に1ヶ月の借金をする。そうするとポイントがもらえる。
・クレジットカード会社はお店に1ヶ月の借金をする。そうすると手数料がもらえる。
まず、ここで「不思議な仕組みだ」ということが分かる。
銀行でも消費者金融でも、普通はお金を貸した側が金利を受け取ることで儲ける。
しかしクレジットカードの場合は真逆で、消費者はお金を借りたのにポイントを受け取る。
同じように、クレジットカード会社はお店からお金を借りたのに、クレジットカード会社が手数料を受け取る。
もちろんクレジットカードを開発するのにお金はかかっている。
開発費用も運用費もかかるのは分かる。
けど「このボロ儲け商売はなんだ?」と思うような手数料なんだよ。
計算せよ。鬼のような金利(手数料)になるクレジットカード
お店がクレジットカード会社に払う手数料は下記のようになっている。
これは返済不能になりやすいお客を相手している業界ほど手数料が高くなる。
(当たり前だがクレジットカード会社は統計を取りリスク管理をしている)
これは月単位の手数料だから誤魔化されているが、年単位に直したら恐ろしいほどの「手数料という名の金利」だと分かる。
もし5%の手数料であれば年利60%になる。
逆に考えると年利60%の消費者金融に借りて、1ヶ月後に返すと5%の金利が取られる。
これを毎月、毎月繰り返しているのがクレジットカード。
この数字がどれほど鬼か?
それは金融業が取れる金利を見れば分かる。
金融業には消費者(お金を借りる人)を保護するため、利息制限法という法律があり上限値が定められている。
その金利は最大でも20%。
それ以上の金利で貸し出すと闇金(違法な会社)と呼ばれる。
にもかかわらず、クレジットカード会社は手数料5%でも金利に換算すると60%に相当する。
異常なほどに高額。
そして大切なのは「この高い金利を誰が払っているのか?」という問題。
クレジットカードで得する人 損する人
クレジットカードの手数料を支払っているのは誰?
それはお店である。
だから「お店が負担するじゃオレには関係ない」「ポイントが1%付くから逆に得」と思っている人がいるかもしれない。
そう思う人に言いたい。
「目を覚ませ」と。
クレジットカードの問題① 損をするのは消費者
もし日本にいる人の全員がクレジットカードを使った場合、全ての売上に手数料がかかる。
手数料が5%場合、毎月売上の5%を失う。
会社というのは非営利団体ではなく、儲けるために商売をする。
損をするなら、どこかで回収しないといけない。
では、会社はどのように手数料負担を回収するのか?
それは消費者に負担をさせている。
ただし明らかな値上げをすると消費者が逃げてしまう。
なので、本来はもっと値段を下げられた商品を据え置きにしたり、少しずつ値段を上げてクレジットカードの手数料分を消費者に転嫁させる。
つまりクレジットカードを使う人は、1%ポイントを受け取り、その代わりに5%の手数料を負担していると言える。
そして現金払いの人は、ただ単に5%の手数料を負担しているということ。
クレジットカードを使うと儲かるのはクレジットカード会社。
これのどこが得なの?
クレジットカードの問題② 損するのは従業員
クレジットカードの手数料を消費者に転嫁しない方法もある。
それは従業員に負担をさせること。
実際に給料の減給はないが、本来はベースアップできたはずの給料やボーナスを低く抑えることはできる。
また新卒社員や新しいバイトの給料を下げることもできる。
うまいこと言って手当ての削減する会社もある。
つまりクレジットカードの手数料を負担しているのは労働者、もしくは消費者。
「私は小売や飲食で働いてないから関係ない」と思うかもしれない。
しかし民間の仕事はお客が買ってくれるから成り立つ。
「労働者の収入」=「消費者の収入」なのだから、他の業界の売上を下げる効果がある。
クレジットカード問題③ 生産性は上げられない
クレジットカードを使えば、レジのスピードが上がってお客さんの待ち時間が減る。
これは事実(たまにキャッシュレスでも遅い人はいるけどね)。
けどお店からすると生産性は上がっていない。
よく「生産性=効率」と勘違されるが、計算式を見れば違うことが分かる。
生産性は「(利益+人件費+減価償却費)/ 労働時間」になっている。
生産性を上げるには
・「利益+人件費+減価償却費」を上げる
・もしくは「労働時間」を下げる
このどちらかをすれば良い。
ではクレジットカードを導入するとどうなるか?
まず手数料分の利益が下がる。
この利益が落ちた以上に、労働時間を減らせたら生産性は上がるが、開店と閉店の時間が変わるわけでもない。
小売店ような待ちの商売は、お客さんの消費量が増えない限り、いくらレジの作業スピードを上げても、生産性には影響しない。
レジの人を減らせるとすれば、多くのレジの人を雇用している大型の店舗のみ。
しかし大型店舗の場合は、セルフレジにした方がよっぽど効果がある。
クレジットカードを導入することで集客に繋がるという話もあるが、クレジットカードの普及率が高まれば高まるほど効果は薄くなってしまう。
いずれはクレジットカードが持つ集客力はゼロになり、お店からすると単に数%の手数料を支払うハメになる。
そしてお店はその負担をどこかに転嫁しなくてはならず、消費者か労働者に転嫁する。
クレジットカードの問題④ 地方の経済が死ぬ
クレジットカードは便利なときもある。
特にネット決済では非常に便利。
だから「絶対に使うな」と言うつもりはない。
ただ使うリスクを知ることが大切。
特に大都市ではない地方に住んでいる人は、出来るだけクレジットカードを使わないことをオススメする。
地元のお店で買い物すれば、その会社の売上が上がり、経営的な余裕ができる。
そうすれば価格競争(値下げ)にも対応できるし、新しい雇用を生むことも出来る。
新たな雇用が生まれれば、新たな消費を生む。
新しい消費が生まれれば、回り回ってあなたの会社の利益が上がる。
こうやって地域の経済は活性化される。
それをクレジットカードを使うどうなるか?
それは地元のお店に入るお金が減り、都会にあるクレジットカード会社の利益になる。
クレジットカードを使う行為とは、地元のお金をどんどん都会に移すことになる。
そして地元のお店は価格競争に対応できず倒産。
雇用も失い消費も失う。
地方では活性化のため観光に力を入れている町があるが、あれは都会のお金を地方に移そうとしている。
これと真逆の行動をしているのがクレジットカード(キャッシュレス)。
地方と都会の格差はますます広がる。
こんなことを続けたら、あなたの町はコンビニとドラッグストアとパチンコ屋しか残らないシャッター商店街になる。
というか、もうなっている町は多い。
それって望んていた町並みですか?
お金がその土地で使われないということは、給料も上がらず新しい雇用も生まれなくなる。
(余談)
消費税10%への増税に合わせて、政治家さんはキャッシュレス化すればポイントが還元される政策を打っている(9ヶ月の期間限定)。
これはクレジットカード普及率を高めることで「地方衰退」を加速させる政策と言える。
そもそもデフレ経済で消費税を上げると消費が落ち込み、マーケットの魅力もなくなるから会社は投資しなくなり、どんどん不景気になる。
そうすると弱い地方から順番に衰退していくことになる。
もはや洗脳。クレジットカードを推奨する人たち
テレビを見ていたら経営者コメンテーターが出演していて
「効率的に物事を考えられる人は、キャッシュレスに移行している」と言っていた。
つまり「現金を使う人は、効率的に物事を考えられない人」と言っている。
推測だが「かしこい経営者がクレジットカードの仕組みを知らないはずはない」と思う。
つまり最終的に泣くのは、労働者、消費者、地方であることを知っている。
では、なぜそんな発言をしているのか?
それは「クレジットカード会社と利害関係がある」もしくは「本当にレジの待つのが嫌だ」のどちらか。
確かに時給換算すると数万円、数十万円を稼ぐ経営者にとっては「レジに限らず待つのがムダだ」と思う気持ちになるのは分かる。
しかし普通の主婦は50円安く買うため少し遠いスーパーに向かい、一人暮らしの会社員は100円安くするため閉店間際にスーパーに入る。
みんな時間を使って、少しでも安くなるような工夫している。
これが普通の庶民感覚だよ。
皆さんには誰かの感覚ではなく、自分の感覚で「レジを待つ時間」と「働く人と消費者が負担するクレジットカードの手数料の金額」を天秤にかけて、どちらが得か計ってみてほしい。
果たして、そのサービスにいくらだったら払うのか?を。
おさらい
- クレジットカードとは超高額の消費者金融と変わらない
- クレジットカードで損する人は労働者と消費者と地方に住む人
- クレジットカード利用者はポイントを受け取る以上に損をする
そもそもの話をしてしまうと、サービスを利用している側がポイント(お金)がもらえるってありえます?
サービスを利用した人が利用料を払うのが当たり前なんです。
クレジットカードが「クソみたいな仕組み」だと思った最大の理由は、消費者に得と錯覚させてしまうことです。
「1%還元します」って言われたら誰でも「いいじゃん」って思って積極的に使ってしまいますよね?
積極的に使わせて損させる仕組みがクソだと感じたのです。
ちゃんと原理を消費者に説明して利用させているなら、嫌な感情はなかったでしょう。
この仕組みは電子マネーやスマホ決済も同じです。
自分が1%のポイントを稼ぐため、同じ消費者が損させても構わない、もしそう思う方がいましたら・・・そういうのって止めませんか?