同世代の新卒より中途の方が給料が高い。おかしな逆転現象

私は「転職にはリスクがあるよ。だからリスクを知らないとダメだよ」と思っている。

その一番のリスクの給料。
転職すると勤続年数がゼロに戻る。

多くの会社では勤続年数や年齢が加味されて給料が決定される。

勤続年数と給料の関係

転職者の場合、年齢が高いので新卒と同じではないが、同世代と比べると勤続年数が短い分、給料が低くなる。

それが当たり前だったが、ここ数年で逆転現象が起きていて「同じ年齢でも中途採用の方が給料は高い」という逆転現象が起きている。

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大量の退職者が出たある会社の話

ある大手住宅販売の会社の話。
その会社の社長が引退することになり「誰があとを継ぐのか」で揉めていた。

争っていたのは「社長と一緒に会社を立ち上げた重役」と「社長の娘」。
お家騒動としては、よくある話だよね。

社内の権力闘争の末に「社長の娘」が社長に就任した。

問題なのはその娘がアンポンタンなこと。
急に全営業に「営業活動を禁止」の命令を出した。

「来るお客は対応しろ。けどそれ以上の営業活動はしばらくやるな。予算も出さない」という命令。

その理由は社員でも分からないらしい。

当たり前だが営業活動を停止したら売上は落ちる。
案の定、業績は落ち込みボーナスもなくなる始末。

社員からすれば「理由も分からず営業すんな。で、ボーナスなしかい!」である。

停止してから8ヶ月後、営業活動は再開されたが、その時には80名以上も退職していた。
退職した年齢層は28歳~40歳であり、前線で頑張る稼ぎ頭。

「この会社には先がない」と将来不安になるのは当然。

営業が再開と言っても社員がいなければ、以前と同じような仕事はできない。

 

転職者を緊急募集するが…

その会社は業績を戻すために、転職者を大量募集。
就職難の時代であったら100名ぐらいは集めることもできただろう。

けど今(2019年)の求人倍率はだいぶ良くなっている

正社員の求人倍率

そこに追い打ちをかけたのが「就職難が作った風習」。

就職氷河期やリーマンショックに就職した人は、50社受けて1社内定という時代。
深く考える前に「とりあえず応募して、採用になったら考えよう」という風習。

その会社では「10人に内定出したら、実際に入社する人は1人」。
入社率10%という驚異的な数字。

誇張した求人でもないのに入社率10%。

会社目線から見ると「人件費をかけて書類選考、面接を実施して、求人費用をかけたのに、ほとんど無駄じゃん」という状態。

 

そこで会社が打った手は給料アップ。
給料を上げれば応募数も入社率も上がり、なんとか業務をカバーできる人数は集まった。

 

同じ年齢なのに生まれた給料格差

会社は業績を持ち直したので一安心と思ったら、社内では給料格差が生まれていた。

入社1年目、30歳の給料が26万円(営業経験はあるが異業種転職)。
4年前に転職してきた30歳の給料が24万5千円(同じく営業経験はあるが異業種転職)。

入社歴が4年違う同世代に給料が1万5千円も負けている・・・・。

社員からすると「え?仕事を教えているのオレだよ。オレのが給料低いの?ふざけんなよ」である。

で、その結果どうなったか?

 

1年後に入社歴が古い人へ「驚異のベースアップ2万円」
ベースアップが2万円なんて聞いたことないよ・・・。

こうやって社員の怒りを収めた。

この会社は極端な例だけど、私の会社でも逆転現象は起きている。
給料って社員同士で公開しないから、バレることは少ないだけ。

 

大量の退職者を生んだ会社から学ぶ。給料が上がる道

日本の給料は全体的にみるとほとんど上がっていない。
男女別に見ると男性は20年間変わらず横ばい。
女性はおそらくパートで働く人が多いため、最低賃金の引き上げによって、ゆるやかに給料は上がっている。

給料の推移(男女別)

 

私の会社では「会社の利益が伸びれば、給料が上がるよ」と言う人がいる。
そんな人に私は「昭和じゃないだから、会社の利益に応じて給料は上がらないよ」と言っている。

大昔であれば社員を家族のように思って「儲かったら給料出す」という経営者はいた(らしい。聞いた話)。
しかし今の時代は期待できない。

そもそも儲かっただけでは、給料を上げる理由がない。
理由がないのに給料上げたら株主は「はぁ?無駄なことすんな。だったら株主配当しろよ。他に資産移すぞ」って話になる。

つまり給料は上げる理由がないと上がらない。
「儲かった」では人件費を上げる余裕が出来ただけで、その余裕を人件費に使う理由がないといけない。

理由になるのは人手不足。

 

物の値段が上がるのは、物が不足したとき。
人手も同じで、給料が上がるのは、人手が不足になったとき。
会社同士で人を取り合う状態になる必要がある。

ただし人手不足になってもすぐに給料は上がらない。

会社で数名の退職者が出たときに「この部署って大丈夫?どうやって仕事を回すの?」なんて毎回思うのだが、なんだかんだで仕事は回ってしまうもの。

この状態から「マジ無理」という状況に変化し「求人募集しても人が集まらない」という状態がきたら給料が上がりだす。

ちょっと前まで転職者が給料を交渉することは出来なかったが、今は交渉する人が増えてきている。
これが出来ているのは理由は人手不足。

 

生産性の向上は良いことばかりではない

ちょっと前に会社であった打ち合わせ。
その内容は業務の効率化について、つまりは生産性の向上。

そこで「あぁ。考えている人は考えているだなぁ」と思った一コマがあった。

 

「おそらく業務効率が一番上がるのは、A案ですよね」

「そうだな、A案だな。けどA案を採用したら派遣の人いなくなっちゃうぞ」

「けど派遣さんが減れば、俺らの給料そのうち上がるんじゃないですか?」

「逆逆。雇用を守って人手不足の状態にしないと給料は上がらんよ。それにかわいそうだろ」

「そうっすね、ではA案は会社に伏せて、B案にしますか?」

「そうだな、検討は裏でこっそり進めるとして、今回はB案とC案とD案を比較したってことにしようぜ」

 

この会話は私が参加した打ち合わせではなく、隣の打ち合わせ室からもれてきた言葉。

働く人にとって難しいのは、生産性を上げないと他社に負けてしまう。
けど生産性を上げてしまうと雇用は失われる。

雇用が失われれば、職を失った人の人生にも関わるし、回り回って自分の給料も上がらない。

それを理解し、会社側と微妙の駆け引きをしているのが分かる一コマ。

現在では売上を大きく伸ばせる会社など少なく、業務改善して利益を上げようとする会社が多い。
業務改善って簡単に言っちゃえば、人件費のカットなんだよね。
その人件費ってもしかすると自分かもしれない。

業務改善は会社から見ればプラスしかないが、働く人にとっては?・・・プラスにもマイナスにも見える。

皆さんも一緒に考えていきませんか?
「会社に言われたから、生産性の向上は必要だ」ではなく「その先には何があるのか?」を。

考えた上で「うちの会社の場合は、生き残りをかけて生産性は上げなきゃ」と思うのは良い事。
逆に「うちの会社の利益を見たら、なんだかんだで余力あるからほどほどに」と思うのも良い事。

悩んで出た答えなら、どちらでも正しい。
ただ先を考えず、会社に言われたから、ではちょっと情けない。

会社を抜け出し独立することは難しいことだけど、考えを自立させるのは難しくはない。

 

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