正社員の雇用は守られすぎというウソ・ホント

初めて就職した会社は派遣会社。
それから転職し、運良く正社員という立場で働くことができた。

正社員になると「雇用が安心だ」と思っていたが、辞めさせられる同僚(正社員)をたくさん見てきた。
そんな光景を見ると「私はなぜ正社員は守られていると思ったのか?」と疑問に思う。

では、正社員の雇用は守られている?のウソ、ホントについて。

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「正社員は派遣と比べて法律で守られている」はウソ

雇用形態として「正規・非正規」という言葉を見かける。
正規雇用とは「雇用期間が決まってない」という意味。

派遣でも正規社員と呼ばれる人がいる。

雇用形態のパターンは「正規か非正規か」と「勤務先は自社か他社か」のパターンに別れる。
この組み合わせによって、働き方の呼び名が変わる。
雇用形態の種類(フルタイム)

法律では上記の4つとも「労働者」という名前になり、解雇条件に差がない。

しかしニュースでは「派遣切りが行われた」と話題になる。
「派遣切り」と聞くと「解雇された」と思ってしまうが、会社間が行う派遣労働契約の解除を指す。

切られやすいのは雇用契約ではなく、派遣労働契約の方である。

 

正規社員でも非正規社員でも派遣労働契約が切られたという理由で、雇用契約を切るのは不当解雇であることは変わりがない。

それでも派遣の人の雇用が安定していると言えない。
私の友人で派遣に勤めてた人は解雇された。

それは法律の問題ではなく、派遣会社という経営がリスキーなことに関係する。

 

派遣はリスキーな経営のため解雇されやすい

派遣会社という経営がリスキーであり、そういった会社は整理解雇がしやすい状況にある。

会社が整理解雇を行うには下記の4つの条件がある。

①人員削減の必要性
(経営が傾いているなどの状況にあるのか?)

②解雇回避措置の相当性
(役員報酬カットや残業代削減、人員配置転換などの努力したか?)

③人選の合理性
(解雇する人は平等に選んだか?)

④手続の相当性
(働く人に説明をちゃんとしたか?)

まず整理解雇のスタートになるのが「①人員削減の必要性(経営上の危機)」である。

派遣会社の仕組みは経営危機に陥りやすい。
もともと派遣を入れいるメリットは、派遣労働契約の解除により人件費を調整しやすいから。

派遣元の仕事が減った時に、人件費の調整として使う事を想定している。

派遣元は派遣先に「人件費+報酬」を載せて請求する。
派遣会社のお金の流れ

出向に出ていれば人件費がかかっていない。
(仕事を取る営業や経理の人件費はかかるが)

派遣先から契約を切られると、収入が無くなりさらに人件費を負担することになる。

派遣会社のお金の流れ2

ましてやメインの派遣先から切られると、経営に大きく影響しリスクが高い商売。
人件費は派遣先から出ていたため、残業を減らして出費を抑えることもできない。

「派遣会社だから解雇しやすい」わけではなく、「経営のリスク大きい仕事」であることが整理解雇されやすいことに繋がっている。

 

正社員でも派遣でも実は簡単に解雇にできる

日本の法律では、正社員を解雇しようとするとクリアーしないといけない条件が多い。
しかしこれは会社が一方的に解雇する場合のみ。

日本では会社が辞めてほしい社員に対しては、解雇ではなく退職勧奨(肩たたき)を行う。

退職勧奨とは会社と社員と合意元で退職させるため、法律上の制限がない。
社員は「辞めません」とつっぱねる事ができるが、私はつっぱね続けられた人を見たことがない。

「君は今の仕事に向いていると思う?」
「適性がある仕事を選んだ方が自分のためだよ」
「まだ先が長いから、他の道も探したらどうかな?」
「なぁ?言いたい意味分かるよね?」

こんな言葉を言われ続け「知らねぇ」と言えるメンタルの人って何人いるのだろうか?

 

それでも辞めない人には、転勤命令を出す。
私が以前に勤めていた会社では、「工場の合理化」という名の元に大幅な人事異動で転勤なり、事実上の解雇を行った。

工場で勤めている人は「世の中で良い仕事がないかな?」ではなく「地元で良い仕事はないかな?」と土地柄や地元の人を優先する人が多いから、一回の転勤でも退職する人が多い。

ましてや海外転勤と言われると更に退職する人は増える。

「正社員は守られている」と言われているが、退職勧奨で辞めさせることは難しくない。

 

実は会社が守られすぎている

最近になり私は「会社って守られてるなぁ」と思う。
例えば労働基準法を違反する会社の多さ。

・サービス代の未払い
・みなし残業による超過分の未払い
・長時間労働
・労災隠し
・有給を取れない
・就業規則がない(従業員10人以上は必須)

これらの会社は全て違法である。

しかし労働基準法違反はほとんど発見されず、違法状態を続けられてしまう。
労働基準監督署が違法企業を摘発する役目だが、何十年も前から人員不足と言われ、一向に改善されない。

そして見つかっても、勧告(指摘)で済んでしまい懲役はおろか罰金も払わずに済む。
この理由は「裁判になり違法企業とバレたら社会的信用がなくなり、労働者の不利益になるから」と言われいる。

 

しかしこれだけ違法な企業がゴロゴロあり、既に多くの人が知っているのだから「本当に信用がなくなるのか?」と疑問である。
みんな「またか」「知ってるよ」と思いすぐに忘れると思う。

ましてや新卒や転職で入社する人の知る権利はどこへ行ったのだろう?

 

数年前、大手広告代理店で若い女性が過労自殺で亡くなった。
この会社は労働基準法になり罰金50万円である。

サラリーマンに取って50万円は大きな金額だが、大手の会社にはとても小さな金額。
おそらくその会社の課長の月給よりも低いだろう。

罰金が抑止力になってないと思うのは私だけだろうか?

 

社員の雇用が守られないアメリカという社会

日本ではどんな雇用形態でも法律の上では平等。
正社員だから守られて、派遣だから守られていないということはない。

しかし派遣は経営のリスクの大きさが雇用の不安定になっているのは事実。

 

一方、国外を見るとどんな雇用形態でも不安定な国もある。

例えばアメリカ。

若い頃は「日本の終身雇用制度はクソだ」と思っていた。
「仕事中に寝ている先輩」や「ネットを見ているだけの上司」を見て「モチベーションが下がる要因だ」と感じたから。

それに比べ「クビになりやすい反面、実力に応じて給料が上がり転職しやすいアメリカって羨ましいなぁ」と思っていた。

その考え方が変わったのは、アメリカ人と一緒に仕事をしてから。

アメリカ人と一緒に仕事をした印象は

・嘘つきが多い
・上司へのゴマすりだらけ
・残業大好き(家帰っても仕事)

というもの。

私があったアメリカ人は「残業大好きな人(家に帰っても仕事)」と「絶対に定時の人」が真っ二つに割れていた。
そして年収も大きく違う。

仕事で深く付き合ったのは「残業大好きな人」なのだが、とにかく「嘘」と「上司のゴマすり」が異常に多かった。

始めは理解できなかったが、「これはすぐクビになる社会からだ」と気づいた。
実際にアメリカは上司の一声で即日解雇になるらしい。

だからこそ「自分のミスは認められず、バレバレでも嘘を突き通し」「解雇が怖いから上司へのおべっかばかり」になる。

ウソとおべっかが上手くないと継続雇用されない働き方は、羨ましく思えなかった。

 

アメリカでは「改善(KAIZEN)」という言葉が通じる。
これは「日本がものづくりで優れているのは改善する力があるから。この姿勢を見習おう」ということで「改善(KAIZEN)」という日本語を使うようになったらしい。

しかし改善するためには、真の原因が分からないと対策が立てられない。
それが自分のミスや失敗なら、それを認めないと前に進めない。

日本人は仕事でミスをしても素直に謝れば済むのは終身雇用の名残りがあるのだろう。

社員が守られないと改善はできない。
そう考えると雇用が守られていることは悪い事ではないな、と思えた。

 

おさらい

  • 法理上では派遣も正社員も解雇要件は同じ。
  • 派遣は経営の不安定さから整理解雇されやすい。
  • 解雇勧告であれば正社員でも派遣でも解雇することは難しくない。
  • 解雇されやすい社会(実力主義)は、自分の雇用を守るためウソ付きやおべっかが増える。
  • 改善は問題やミスを認めることから始まる。

 

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