入社前と話が違う。労働条件を騙す会社から自分を守れ

入社前に聞いていた条件と違った。
これは残念ながら転職ではよくある話。

具体的には
・正社員だと思っていたが契約社員だった
・求人で書かれた給料より実際は安い
・給料が高いと思ったら残業代込みだった
・残業がゼロだと言われいたのに

 

こういう会社はあえて転職者を騙そうとしている。
よい言い方をしても、ごまかして入社させようとしている。

こういう話を聞くと本当に悔しい。

しかし騙そうとする会社が一定数いる以上、自分の身は自分で守るしか方法がないのです。

 

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求人を出しても誰も来ない会社の事情

なぜ騙そうとする会社がいるのでしょうか?
それは本当の事を伝えると人が集まらないからです。

特に2018年は求人倍率が高い状態をキープしていました。

転職者にとっては求人倍率が高いと、選べる会社の選択肢が増えて良いことです。

しかし会社の目線では、労働条件を吊り上げないと人が集まらない状態です。

 

労働条件でもっとも分かりやすいのは給料です。
新しい人のみ給料を上げることは、さほど難しいことでありません。

しかし、長年その会社に在籍している人が、それを知ったら「おもしろくない」と不満に思うはずです。

つまり転職者の給料を上げると、社員全員の給料を上げることになります。

社員が300人の会社で一人に付き1万円の給料を上げたら月に300万円の出費が増えます。
もし給料を上げずにやり過ごせたら、5~10人程度は雇える金額です。

だから「求人をごまかしても募集しちゃえ」と考える会社がいるのです。

 

そして、一度入社させると簡単に辞められない事を会社は知っています。

転職回数が増えると「何事にも続けられない人」「すぐに投げ出す人」と思われ転職は不利になります。
また、貯金があまりなく無職になれない人もいます。

こういった転職事情や金銭的な不安を逆手に取り「入社させてたらこっちのもの」と思う会社が、求人をごまかすのです。

 

求人や雇用に関する法律は穴だらけ

虚偽の求人に対する罰則

虚偽の求人を出して転職者に不利益を与える会社に対して、取り締まる法律はないのだろうか?

そのひとつが労働安定法65条9号です。

もし虚偽の求人を出した場合、懲役1年以下もしくは100万円以下の罰金になります。
とても重い罰則です。

 

この法律があれば安心だと思いきや、罰則を受けた会社はひとつもないそうです。

そのひとつの理由が「虚偽」という言葉があることによる適応のハードルの高くなっていること。
虚偽とは真実ではないのに、真実のように見せかけること。

「求人を出したときと採用したタイミングでは会社の事情が変わった」と言われたら、それを虚偽と立証することは難しい。

 

そしてもうひとつの理由は、そもそも明確に労働条件を書いてある求人が少ないことです。
特に給料に関してはあいまいな求人が多くあります。

このように「モデル年収」「年収例」という曖昧な表現にすることで「虚偽の求人」とは言えなくなるので、適応例がない法律になってしまうのです。

 

労働条件を明確にする法律の存在

一方で労働条件をはっきりと示すように定めた法律もあります。

それは労働基準法15条「労働条件の明示」です。

「会社はちゃんと労働条件を明示しなければダメ」という内容になっています。
そして明示する項目は「厚生労働省令に定める」と書いてあります。

厚生労働省はこの項目を分かりやすく解説しています。

 

上記の6項目については「口頭の約束ではなく書面で交付しなさい」と言っています。

これで働く人も安心ですね、と言いたいところですが、この法律は多くの会社が守っていません。
下記の表は労働基準監督署が定期監督した結果です。

労働基準法の何かしらの違反している会社は約70%。
「労働条件の明示」だけに絞っても約12%の会社は違反です。

そして「労働条件の明示」を守っている会社だとしても、法律に大きな穴あるため、被害に合う人がたくさんいるのです。

 

労働基準法15条にぼっかり空いた大きな穴

実は「労働条件の明示」と称する労働基準法15条には大きな欠点があります。
それは労働条件を明示するタイミングです。

労働基準法15条には「労働契約の締結に際し」と記載があります。

「際し」とは「するにあたって」とか「するときに」という意味です。
つまり「労働契約するときに労働条件の明示しなきゃだめよ」という事です。

では「労働契約するときっていつ?」ってことになります。

それは初出勤するときが一般的です。
初出勤するときってことは、すでに前職を退職した後です。

初出勤ということは、前の会社を退職した後です。
この時点で「面接で良い条件を出してくれたから退職したのに」と言っても間に合いません。

他に内定を出した会社があり、そこを断って入社した人もいるでしょう。

そして職歴も増えます。
日本では転職回数が多いと「続かない人」と思われ不利になります。

 

これは防ぐには「内定と同時に労働条件の明示しなきゃだめよ」という法律に正せば良いのです。

しかし会社の立場に立つと「実際に働てみないと能力が分からないので、給料は提示できない」という言い分もあるでしょう。
それはその通りだと思います。

 

しかし給料の計算方法はあるはずです。
そして日本企業の場合は年功序列であり、同じ役職で同じ年齢であれば、大して給料の差はありません。

つまり狭い幅で給料も示すことはできます。

逆にその幅があまりに大きい場合は、内定を辞退するなどの選択肢が残っています。
会社は内定を辞退されたくないので、ごまかす行為にリスクが生まれます。

 

求人の嘘は自分で見破れ

悪質な会社に出会ってしまう可能性は誰にでもあります。
そういった会社かどうか見破るためには、自分で確認するしかありません。

「お金のことをガツガツ聞くのは気が引ける」という人の気持ちも分かります。
しかしあなたは契約書にサインするとき、知り合いの保証人になるときなど、内容を確認しませんか?

労働も物を買う契約も同じです。
曖昧なことは、確認して下さい。

 

確認できるタイミングは、会社が内定を出した後、それを合意する前です。

転職というのは、書類選考と面接が終わるまでは会社が主導権を握ります。
誰を落として誰を採用するかは、会社が決めるため転職者の立場は弱いのです。

その状況でお金の話ばかりすると採用に影響してしまうかもしれません。

しかし内定を出した後は、それに「合意する・しない」は転職側に主導権が移ります。
聞くタイミングはここしかありません。

 

会社が内定を出すのは電話か書類の郵送で連絡が来ます。

電話の場合は「内定とさせて頂いたのですが、入社希望されますか?」と聞いてきます。
書類の場合は、内定通知書と内定承諾書(内定合意書)が同封されて「サインして返信するように」と書かれています。

電話の場合はその場で、書類の場合はこちらから連絡し「求人の内容を再確認させて頂きたいので、一度打合せをお願いできませんか?」と要望を出して下さい。

その打合せの場で、求人で曖昧の部分を聞き出します。
本当は会社側から労働条件を明記にした書類を提出してもらうことがベストですが、ほとんどの会社はやりません。

なので打合せで「メモを取ること」と「録音すること」をお勧めします。

 

労働条件を確認する場でメモと録音の必要性

メモは転職者側が一方的に書いたものであり証拠としては弱いです。
「勝手に書いたんでしょ?」と言われて「言った・言ってない」の水掛け論に持ち込まれます。

それでもメモを取る理由は、会社に嘘を付かせないようプレッシャー与えるためです。

そして万が一のために録音もすることもお勧めします。
録音する専用機などはわざわざ買わなくても、今はスマホがあるので簡単に録音が可能です。

録音があれば強い証拠になります。

「そこまでするのは・・・」と思う方もいると思いますが、そこまでしないと自分の身を守ることは難しいのです。

 

転職エージェントを使う人は利用せよ

転職エージェントを使う人は、上手く利用するものひとつの手です。
転職エージェントとは、求人を紹介し入社が決まると会社側から報酬がもらえるお仕事です。

入社前までは転職エージェントが間に立ち話が進みますので、不明な労働条件は「求人の内容について教えてほしい事をメールにまとめて送りますので、相手の会社に確認して下さい」と依頼して下さい。

 

そして回答はメールでもらうようにして下さい。
もし電話で回答があった場合は「後々になり言った・言わないになると御社にご迷惑をかけてしまいますので、お手数ですがメールで送っていただけませんか?」とお願いしメールで回答をもらえれば、これも証拠になります。

 

転職を運任せのギャンブルにするな

日本ではよく「労働者は守られすぎている」という話を聞きます。
しかし働く人を騙す求人がたくさんあり、一向に改善されない現状をみると「会社は守られすぎている」と思うのです。

日本には労働基準法などの労働関連の法律がありますが、その多くが「守るより罰せられた方がマシ」と言えてしまう内容です。

 

入社した後に騙されたと気付いても、会社と争いながら働き続けることは現実的ではない、だから泣き寝入りするしかないのが現状です。

そうならないためには、入社する前に確認することしか出来ません。
それが転職をギャンブルにしない方法です。

 

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