AI採用を活用する企業は人事も応募者もなめている【採用のふざけた歴史】

新卒採用に「AI採用」と呼ばれる方法を使う会社が出てきた。
AIとはArtificial Intelligence(アーティフィシャル インテリジェンス)で日本語にすると人工知能である。

その人工知能を活用してエントリーシートの合否を判断する。

AI採用ってどんなものなんだろうか?
そもそも人工知能とは何か?
そしてAI採用の結果は正しく公平なのか?

もしかすると新卒だけではなく、転職者も巻き沿いを食うかもしれない。

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AI(人工知能)とは何だ?定義によって大きく違う

人工知能という言葉を聞くとコンピューターが独自で思考しているように感じてしまう。
SF映画のロボコップや漫画のドラえもんのように、人と変わらないロボットを想像してしまう。

独自で思考するものを人工知能と呼ぶのであれば、そんなものは実用化されていない。
遠い未来の話であり、遠い未来でも実現できてない夢物語かもしれない。

では、現在ではどういう製品が人工知能と呼ばているのか?
それは「単純によくできたプログラム」の事を指す。

人工知能と呼ばれる代表的なものは、お掃除ロボットのルンバ。
ルンバの特徴は「部屋の大きさを覚えること」と「ゴミが多い場所に向かいゴミを吸い取ること」の2つ。

なぜ部屋の大きさを覚えるのか?
それは「センサーで感知して壁との距離を覚えなさい」と、人がプログラムを書いているから。

なぜゴミが多い場所に向かうのか?
それは「過去にゴミが吸い取れた場所に行け」と、人がプログラムを書いているから。

プログラムに無いことは覚えないし、プログラムの通りにしか動かない。
つまり現在の人工知能と呼ばれる製品は「独自に考えない言いなりロボット」である。

言いなりロボットでも便利なのだが、人工知能という言葉のイメージにはほど遠い。

それでも人工知能やAIという言葉が飛び交うのは「人工知能搭載の最新家電」と書くと、想像をかきたてられ注目を集めやすいという理由がある。

それとエコノミストと呼ばれる経済学者や雑誌記者の存在。
これらの人は本や記事を書いて売れないと飯が食えない。

だから煽り気味に「AIが人類を滅ぶす日」とか「AIの驚異と人類の共存」と書いて注目を集める商売。

つまりビジネス用語として「AI」や「人工知能」という言葉が使われてる。

採用の世界の人工知能ってどんな感じ?

AI採用とはエントリーシートで使われる。
過去に合格したエントリーシートと、不合格のエントリーシートをそれぞれ人工知能に読み込ませる。

その後に新規応募があったエントリーシートを読み込ませると、自動的に結果が出るという仕組み。

では、コンピューターの中ではどのように判定しているのか?

それはAI採用の仕組みを作った会社しか分からない。
AI採用を運用している会社はさっぱり理解できていない。

分からないが、それで採用の合否を出している。
これがAI採用の現状である。

もちろんコンピューターには、文章を理解することなんて出来ない。
過去に合格になったエントリーシートのパターンと不合格のパターンを認識して区分している。

これがどういう意味か?

それは会社がいくら「個性を活かせる組織」「独自の発想力がある人材を求める」とか言っても、本当は「類似の人物探しゲーム機」が必要だったということ。

AI採用の結果は正しく公平なのか?

人がたくさんのエントリーシートが見ると当然ながらバラツキが起きる。
人の判断は感情によっても変化する。

週の初めか終わりかによって、仕事のやる気も変化するだろうし、天気によって左右される人もいる。

一方、AI採用は応募者の全員が同じプログラムによって判断される。
そういう意味では公平と言える。

問題になるのはAIが出力した結果の正しさ。
100%言い切れるのはAIプログラムを開発した会社は選考の結果を保証しない。

そしてAI採用を使っている会社も、そのプログラムの正しさは検証しない。
そう言い切れるのは、過去の採用なふざけた歴史を知れば分かる。

【採用の黒歴史】SPI試験の信憑性を検証した会社はない

SPI適性検査という名前を聞いたことがあるだろう。
新卒や中途採用の入試試験のひとつとして使われている。

この検査によってSPI適性検査では「性格の特徴」や「職務の適応性」などが分かる。

特に職務の適応性などは細かく分類され評価される。

【SPIの職務適応性】
対人対人接触
対人折衝
集団統率
協調活動協調協力
サポート
フットワーク
スピーディ
予定外対応
課題遂行自律遂行
ブレッシャー
着実持続
企画前例ない課題
企画アイディア
問題分析

上記の内容が5段階で評価される。

こう見るとさずがSPI、仕事に必要な能力はほぼ網羅され、この能力がある人は必ず仕事ができる。

しかし、このSPIの結果が正確なのか誰も検証していない。

SPIは信憑性が高いと言うのはSPIを売ってる会社であり、採用で使う会社も採用される側もその精度を理解していない。

SPIの正しさを評価する方法はとても簡単である。

入社して5年後、10年後「入社時のSPIの結果」と「実際の会社からの評価」を照らし合わせれば分かる。
更に時間が立てば社長や役員にはSPIで高評価を受けた人がたくさんいるはず。

こんな簡単な検証が行わず、SPIを信じ採用に使われてきた黒歴史がある。

そしてSPI適性検査は対策本がたくさん売られている。
その対策本を買って真面目にやれば結果は変わる。

なぜ数時間の勉強で傾向と対策を理解すれば、個人が持つ仕事の適性が変化するのか?
そんな簡単に仕事の適性が上がるのであれば、全社員にSPIを何度もやらせるべきである。

AI採用が優れた選考方法であれば御社の社長もAIで選考しては?

AIによって選考された人物が優秀であれば、AIで社長や役員も決めたらどうだろうか?

もし現社長がAIによって社長として不適切と判断されたら、こんな事を言うでしょう。

「納得できない。どこの馬の骨かも分からんプログラマーが書いた選考基準になぜ従わなければならないのか」

社長が言われることはごもっともで、私もその通りだと思います。
しかしお言葉を返すようですが、AI採用で先行された就職希望者も同じ気持ちなのです。

AI採用プログラムを取り入れた人事部は、まずは自分の給料査定をAIにお願いしたらどうだろうか?

AI採用の実態はただの「足切り」の道具である。

新卒採用の場合、その年度の学生が一斉に応募する。
会社の知名度が上がると応募数はとても多い。

それを数人の人事部や面接官が丁寧に見れない。
逆に言うとそこに人件費をかける価値がない、と会社は思っている。

そこで登場するのが「足切り」による選考である。

足切りとは、ひとつのものさしで一定以下の数字であれば、無条件で不採用にする方式。
一般的には学校名や学力で足切りを行う。

しかしが学歴は高学歴になればなるほど、実社会には役に立たないことを学ぶ。
ある一定の学力があれば、仕事の出来とは関係がなくなってしまうと会社も知っている。

その証拠に中途採用の世界では、実務の知識や経験などの実績が優先される。

それでも学歴で足切りするのは・・・人事という仕事が成果を求められない稀な仕事だからでしょう。
だから足切りの道具に「学力」を使っても「AI採用」を使っても問題ないと判断されてしまう。

AI採用は転職の中途採用者には使われない

学生はその職種に求められる能力が分からないまま応募してしまう。
これは学生が悪いわけではなく、情報が無いだからしかたがない。

本当に学生に理解してもらうためには、その会社や職種の良い点、悪い点を全て公開する必要があるが、会社の看板を背負っている以上は悪いところなど言えず建前になる。

そして学校というのはみんなと一緒に同じ事を学ぶ。
この状態で個性的なエントリーシートを書くのは困難である。

だから学生のエントリーシートはワンパターンになる。

  • バイトで接客業を経験して人と触れ合う大切さを学び、その経験は御社に活かせる。
  • スポーツを通してチームワークの重要性を知り、御社で活用していきたい。
  • 介護ボランティアに参加し、自主的に行動する大切さを学んだ。

AI採用にできるのは過去のパターンを覚え判定するから、やりやすい状況がある。

ところが中途採用になると前職の会社が異なり、例え同じ職種でも得られる経験や仕事の範囲・責任の重さはまちまちである。
経験が違えば、語られる個人の強みも変わってくる。

これに優劣を付けるのは難しい。
そして転職に期待されるのは即戦力だから、良い人材を採用したかどうかはすぐに判断が付く。

AI採用の不確かさを露呈されてしまう方法は、AI採用を売る企業はやらない。

人事部は生き残りが掛かっていると気づいているか?

人事部の人はたくさんの人と出会いコミュニケーションを図り、人間観察の経験がものを言う仕事。
「採用業務は利益を生まない」と厳しい声もあるが、会社を支えるのは人であり、人材は財産と言える。

つまり会社を生かすも殺すも人事部次第であり、最重要な業務ではないでしょうか?
その人事部で培った経験が、AI採用に負けるのでしょうか?
AIビジネスに取り込まれ「AI採用は今後も発展される素晴らしい技術です」と言っている場合でしょうか?

今後、AI採用を活用する会社が増えれば、それは人事部の敗北です。
効率化されたAI採用システムの先に待っているのはリストラです。

人事部の人は自分の仕事にプライドがあるなら怒れよ。
そしてAIに判断され納得できないと泣いている採用希望者を救え。

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