志望の動機を書こうと思っても、ペンが前に進まない人もいるかと思う。
志望の動機のあるあるは「御社の企業理念に惹かれて・・・」や「御社の社会貢献活動に共感し・・・」なんて言葉。
これははっきり言ってNGワード。
まったく説得力も魅力もない。
面接官の方も企業理念なんて覚えてないよ。
覚えているのは作った社長ぐらい。
企業理念なんて曖昧だし、会社の実態とは違うしね。
では、どのように志望動機を書くべきかについて書いていくよ。
まず、書き方の前に志望動機の役割について説明する。
志望動機はなんのために書かせるのか?の裏側
みなさんはどんな風に志望動機を書いているでしょうか?
会社を選んだ理由を書いて「だからやる気あります!」という感じの人が多いよね。
これはこれで正解。
なぜやる気がある人を雇いたいのか。
ひとつはやる気がある人は、仕事を覚えるのが早いから即戦力として期待する。
でも、サラリーマン面接官はそれだけではなく、他に意識していることがある。
それは、会社を辞めない人なのか?
面接して採用不採用の決定権を持つ人は、同時に責任も背負うことになるんだ。
採用したがすぐに退職されたら、教える時間がムダになるだけ。
連続して退職されたら、面接官(管理職)としての能力が問われることになる。
だから「こいつは仕事を続けられるか?」を見ているんだ。
ましてや転職なんだから面接官からすれば、最低でも前科一犯になるわけだ。
転職回数が多いと採用されにくくなるのは同じ理由。
職歴が短いと採用されにくいのも同じ。
志望動機はすぐ退職してしまう奴か、長く勤められる奴か、判断する材料のために書かせている。
逆にいうと我々は「辞めない人材」と思わせることが出来たら勝ちになる。
では、「どうやったらそう思わせられるか」を説明する。
辞めない人材と思わせるための「3つの差別化」と「3つのこだわり」
志望動機は3つのブロックに分けて考えると書きやすい。
- なぜその職種を選んだのか?
- なぜその業界(業種)を選んだのか?
- なぜその会社を選んだのか?
これを順番通りに書いていく。
1. なぜその職種を選んだのか?
ここでいう職種とは例えば、営業、販売、経理、商品開発、製造とか。
会社の「○○部」や「○○係」にあたる部分。
今の会社と同じ職種で転職を考えている人は、さらっと書くだけでもいいが違う職種を狙う人は重要項目となる。
職種への動機が薄いと、そもそも仕事のやる気があるのか?と問われてしまう。
営業職を狙うのであれば、営業と他の業種を差別化して魅力を考え項目を出す。
そこから特に重要だと思う項目を膨らまして、あなたのこだわりを感じさせるように書く。
少なくても今の職業と営業の差別化は簡単にできるはず。
「営業がやってみたいな」ではなく「営業以外は考えていない」と思わせるぐらいに書いた方がいい。
2. なぜその業界(業種)を選んだのか?
業界とは、出版、不動産、自動車産業、金融とかね。
会社のくくりのあたる部分。
ここで披露すべきことは業界を勉強した成果。
その成果から自分が興味ができた理由や業界の将来性を書くといい。
必死に勉強したと感じさせることができれば、その業界が好きで会社を辞めることはないだろう、と思わせることができるよね。
将来性は面接官に共感を覚えるように書ければベスト。
なぜ共感が重要か。
あなたが面接官だとする。
初めて会って数十分でその人が仕事ができる人を判断して下さい、と言われたらどうする?
多くの人は「自分と同じ考えの人」は仕事ができる人、と思うんだ。
残念ながら自分と違う考えで共感できない人は、仕事ができない人というレッテルを張られる。
実際にはそんなことはないんだけど、人の心理ってそんなもん。
あれ?職種が先で業界があとなの?と思う人もいるかもしれないが職種が先が良い。
例えば出版業で応募して、企画でも営業でも人事・総務でもいいから入社したいっていうのはおかしいでしょ?
一体何がしたいんだ?と思われるから、あくまで職種ありきで次に業界へのこだわりを書く。
3. なぜその会社を選んだのか? が最大の難関。
山のようなある会社から、その会社を選んだ理由を書く。
ここが一番悩ましいところ。
この項目の難しいところは2つの理由がある。
ひとつは一部を除いて、その会社にしかない独自性なんてほとんどないこと。
同じ業界で同じ規模の会社であれば、外から見れば特徴なんてほとんどないよ。
ふたつ目は応募した会社は、本当に志望している会社とは違うこと。
みんな志望する1社目で内定が取れるわけじゃない。
ましてや、本当に志望する会社は遠く離れた場所だったりする。
みんな家庭の事情とかいろいろ抱えているでしょ?
子供がある程度大きくなって転校が必要だったり、親の面倒が必要だったり。
そうなるとやっぱり本音とはズレる。
ここの書きやすい方法としては条件を2つ、3つ出すこと。
つまり「条件Aと条件Bのような会社を探していたところ、御社の求人があり応募した」という流れ。
条件を重ねることによって、希望の会社の範囲が狭くするってこと。
この条件に給料や待遇の話は避けるべき。
給料25万以上がいいとか、正社員がいいとか本音はあるんだろうけど、やっぱり「その条件があえばどこでもいいの?」と思われてしまう。
生活に困るレベルであれば給料を退職理由にしてもいい。
けど、志望動機としては弱い。
おれの場合、条件を出すときの情報源としては、雑誌やホームページや掲示板なんかも活用した。
ちょっと反則技かもしれないが、掲示板に書いてあることをいかにも業界の先輩からの情報かのような風に書いたこともある。
その業界の先輩であることに違いはないからね。
(掲示板はウソや愚痴も多いから注意)
こういった情報源から条件を絞り出す。
「なぜその職種を選んだのか?」「なぜその業界(業種)を選んだのか?」「なぜその会社を選んだのか?」を並べることによって、ひとつのストーリーとなり説得力のある志望動機になる。
まとめ
- 志望動機の目的は「やる気をみせる」「業界を勉強した成果を見せる」「辞めない人材と思わせる」である。
- 説得力のある志望動機は「なぜその職種を選んだのか?」「なぜその業界(業種)を選んだのか?」「なぜその会社を選んだのか?」を並べる。