非正規4割で「派遣社員が増えている」という思い込みと実態

ニュースを見ると「非正規社員が4割になった」とよく耳にする。

先日も友人と会話していたら「今や非正規が4割に増えてるらしいよ。派遣ばっかり増えたよな」と言っていた。
私は「派遣が4割ぐらいなの?」と聞くと「詳しくは分からないけど、そうらしいよ。テレビのコメンテーターが言ってたから」と。

他の友人に聞いても「派遣はどんどん増えている」と言っていた。
これって本当でしょうか?

では今回は「非正規の内訳。派遣の割合ってどうなっているの?」について。

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非正規4割。派遣は4割いるのか?

派遣で働く人は4割いるのでしょうか?
結論を先に言うと「いません」である。

皆さん冷静になって考えて下さい。
皆さんの会社では「4割の人が派遣でしょうか?」と。

もちろん職種によって派遣の割合は異なる。
大きく異なるが、さすがに「全社員の4割が派遣」という会社は、よほど特殊な会社でしょう。

では派遣は何割なのか?
これは「派遣が4割」と思っていた人は驚く数字。

実際は0.25割です。
つまり2.5%ということ。
100人いたら2.5人が派遣という割合。

論より証拠。実際の割合は下記のグラフのようになる。

派遣と派遣以外の割当

ピンクが派遣の割合。
ブルーが役員を除く派遣以外の割合。

「グラフ見づらっ!」って思いましたか?
見づらいぐらい派遣で働く人は少ないのです。

役員を含んだら、派遣の割合は更に下がります。

 

派遣社員は増えているのか?

上記のグラフはあまりに見えづらい。
では派遣の人数はどう推移しているのか?

派遣で働く人の割合

2002年から見ると「急に上がって」
2008年から「急に下がって」
その後「徐々に上がっている」

なぜこんなヘンテコな上下をしているのか?

それは派遣という仕事は「派遣法」と「景気」に左右されているから、である。

派遣法と景気と派遣の人数

派遣法が規制緩和でゆるくなると、派遣が増えて。
派遣法がきびしくなると、派遣が減って。
またリーマンショックのときは、解雇が相次ぎ大幅に減って。

という感じになってる。

2014年以降は、年間で5万人ほど増えている。
しかし働く人口は約6000万人いるので、全体から見れば微増である。

 

では非正規4割の内訳は?

派遣が全体から見て少ないのなら「非正規が4割」って何が増えているの?という話になる。

非正規と呼ばれる仕事は大きく分けると3つ。

  • 派遣社員
  • パート・バイト
  • 契約社員

この中でもっとも人数が多いのはパート・バイトである。

非正規の人数の推移

2002年と2019年で比較すると

  • 派遣は約100万人増
  • 契約社員・嘱託系が約190万人増
  • パート・バイトが470万人増

2014年から2019年の5年で見ると

  • 派遣は22万人増
  • 契約社員・嘱託が8万人増
  • パート・バイトが172万人増

つまり「非正規4割と呼ばれているが、最も増えているのはパートやバイトである」と言える。

 

非正規は4割に増えているが前から3割

非正規が4割に増えているのは事実。
しかし前から3割ぐらいであったということも事実。

ということで2002年からの非正規の割合のグラフ。

非正規の割合の推移

2002年にはすでに3割。
その後、徐々に増えていき2019年に約4割になっている。

 

世代別の非正規割合で見えるもの

非正規が増えている要因を見るために次のデータを見てほしい。

下記のグラフは「年齢別にした正社員・非正規社員の割合の推移」

60歳未満を見ると「傾向としては3~5%ぐらい増えているかな」というのが分かる。

65歳以上になると「働く人口」そのものが増えている。
そして65歳以上は非正規が多い世代でもある。

つまり「全世代的に非正規は増えつつあるが、高齢者の働く人口が増えた」という要因が大きい。

実際に「25歳~59歳」と「60歳~74歳」で分けると非正規の割合の上がり方が違う。

労働者年齢と高齢性年齢 非正規の割合

2002から2019年の区間で見ると、25歳~59歳では約5%、60歳~74歳では約13%ほど非正規の割合が増えている。

 

非正規が増える要因:なぜ65歳以上で働く人が増えているのか?

なぜ65歳で働く人が増えているか?

それは健康寿命が少しつづ上がり「まだ働けるほど元気だから働くか」という人もいるだろう。
但し健康寿命は2001から2016年で男性2.7歳、女性2.1歳の伸びなので、そこまで影響があるとは考えにくい。

(健康寿命とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)

男女別 健康寿命の推移

 

その他の要因で考えられるのは、「年金の受給年齢の引き上げ」や「年金では不安な人」が増えているから、高齢者が働き出したのではないでしょうか?

2000年頃コンビニで働く人は朝と昼間は主婦、夕方と深夜は学生が多かった。
ところが2020年になると、朝と昼間は高齢者、夕方には学生が減り外国人が多い。

私の近所のコンビニは、おばあちゃんが深夜に働いている。

年金の受け取り減る理由は、少子高齢化だから。
バイトと言えば学生だらけだった時代から、高齢者のバイトが増えているのも少子高齢化だから。

少子高齢化は今の出世率なら2050年頃まで続く予定だが「それで良いのか?」は大きな疑問。

「少子高齢化はマジでしゃれにならんよ」と言われ始めて、何十年も経っているのだけど・・・。

 

おさらい 非正規4割は「派遣社員が増えている」という思い込みと実態

  • 非正規の割合は2002年では約3割、2019年で約4割になっている
  • 非正規の多くはパートやバイトであり派遣はあまり増えていない
  • 非正規は25歳~59歳でも増えているが、60歳以上が働く人口が増えたのも要因