大手の子会社と中小企業。転職するならどっち?

ある相談を受けた。
その内容は「2つの会社から内定をもらいどちらに転職しようか?迷っている」という話。

そのひとつは大手の子会社。
その大手企業は「潰れることは考えられないほぼ独占」って言うほど大企業。

もうひとつの会社は、大手の子会社と業務内容は変わらないが、名もない中小企業。

あなたならどちらに転職しますか?

ここで考えないといけないのは「子会社とは何よ」ってこと。
そのためには「会社目線で見る子会社を作るメリットとデメリット」を知ってほしい。

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会社が子会社を作るデメリット

子会社というのは、親会社に株を保有されていて経営権がない会社のこと。

 

子会社を作るデメリットは作業の分断化。

例えばみんなが仕事に使う事務用品があるとする。
こういう仕事は総務が発注して、経理がお金の処理をしてくれる。

ここで子会社ができた場合どうなるか?

それは子会社にも同じような仕事をする総務や経理が必要になる。

資本関係がある親と子の関係であっても独立した別会社。
「最終的にごっちゃごちゃになるんだから、まとめてやってよー」とはならない。

これって無駄に感じませんか?

 

まとめて処理できれば、作業効率も上がるはず。
ましてや新入社員が入ってきたら、各会社が個別に指導するから、教育という意味でも効率が悪い。

「今だけちょっと忙しいからヘルプして」みたいな連携もできない。

そもそも処理の仕方やソフトまで違うこともザラ。

なぜこんな無駄を作ってまで子会社を作るのだろう?
それは「それ以上にメリットがあるから」以外にあるだろうか?

 

子会社を作るメリット

同じ会社でも住んでる場所によって「手取り」が異なる。

例えば東京と地方では、同じ部屋の大きさでも家賃は倍ぐらい違う。
それが同じ給料だったら「えー東京行くたくねーよ」って話になってしまう。

だから「住宅手当て」を作って、手取りに差を付けて辻褄を合わせる。

ただしその他のことは同じ。
同じ業務をしていたら「基本給」や「業務手当て」や「退職金」には差がない。

けど子会社だったら?

 

子会社であれば、給料の額やその仕組もまったく別。
ボーナスも別だし、その他の社会保障関係も別。

もう子会社のメリットは分かったよね?

子会社を作る一番のメリットは人件費の削減。
けどそれだけじゃない。

 

子会社を作れば節税になる

ここに書く税金の数字は最新ではないかも、という前提の元で話を聞いてほしい。
(税金に関する数字はコロコロ変わるから)

法人税というのは一律の税金。
儲かっても儲からなくても23.4%という一律で税金がかかる。

住民税みたいなもの。
住民税は、どんなに稼いでも一律の税率。

逆に所得税なんかは、儲かれば儲かるほど税率は高くなる累進税率という方法。

法人税は一律、と言われながらも、実際にはさまざまな方法で、税金を下げられる。

そのひとつが子会社。
資本金1億以下の会社では軽減税率が適応される。

所得が800万以下に対しては15%にまでさがる。

1000万円稼いだ場合
800万円X15%=120万
残りの200万円X23.4%=46.8万円

トータル166.8万円になる。

これを資本金1億以上だと
1000万円X23.4%=234万円

その差額187.2万円。

だいぶ違うでしょ?

もちろん稼げば稼ぐほどその差は小さくなるが、子会社を作り分散すればするほど、また差が大きくなる。

でもこれって節税のテクニック論でしかない。
本来は「資本金が小さな会社は、経営が厳しいでしょ?だから税金を軽くしてあげるよ」という趣旨からは大きくズレている。

こそを利用され節税できてしまう。

 

親会社の左遷先にもなる子会社

子会社が左遷先になっているケースがある。

「子会社の方が忙しいから、出向に行ってくれないか」なんて声が掛けられる。
「会社が困っているなら」とOKすると数年後には「転籍しない」という話になる。

(もちろん戻ってくる人もいるが)

転籍になり給料が維持されるか、また子会社の給料に合わされるかは、その会社によってまちまち。
転籍を断り続けても親会社には戻れない人もいる。

 

子会社がひどい扱いされる例

ひどい扱いを受けている子会社の例を紹介したい。

ものづくりの会社では、黒字の品物から赤字のものまである。
赤字の品物は、作れば作るほど赤字が膨らむ。

赤字になった理由はさまざま。

最初の見積もりの段階から、想定が甘かったり。
途中で高い品質レベルを要求されたが、それを価格に転嫁できなかったり。
また、最初から赤字だと分かっていても、他の品物で付き合いがあり、駆け引きの中で飲むしかなかったり。

どうやっても赤字になってしまう品物をどうするか?

その仕事を子会社に仕事を移す。

子会社は人件費が低い分、赤字額を圧縮できる。
場合によっては黒字化もできる。

けどね。
黒字化できたとしても利益は薄いわけ。

そしてボーナスの仕組みを見ると、利益に応じて倍率が変わってくる。
ってことはだよ。

こういう子会社は、ボーナスは上がらないし、給料を上がる可能性を親会社が消しているという状況なの。

これって納得いきますか?

更にもっとひどいケースもある。

ある製品を子会社が作った場合、そのまま納入先に届ければ良いが、親会社を経由させるケースがある。

これは親会社の方で、管理費と言う名の中間マージンを引き抜くため。

管理といっても親会社は品質を確認するわけでもなく、伝票を差し替えて発送するだけで、利益を生むことができる。

これって本来であれば、子会社が受け取るべき利益。

子会社の利益が増えていけば、そこで働く従業員は「ねぇ、うち利益上がってるよね?だったらボーナス増えても良くね?」という話になるだろうが、利益は上がっていない・・・ように見せられる。

これって納得いきますか?

 

同一賃金同一労働だって?笑わせんなよ

派遣の働き方が問題になって「同一労働 同一賃金」と言われるようななった。

たしかに同じ働き方をしているのに、給料制度が異なるってことは問題。

けど、今までずっと子会社という手法を使って「同一労働 非同一賃金」ということを容認してきたじゃないか?って。

派遣の場合は正社員と共に働くから、働き方や給料の差が見えやすい。
けど子会社になると、会社も働く場所も違うので給料の差が見えなくなる。

だからスルーされているようにしか見えない。

 

見極めろ。良い子会社と悪い子会社

子会社といっても全てが悪いわけじゃない。

良い子会社もある。
良いというか、経営の合理性がある普通の子会社。

それを見極めるには、親会社と同業種なのか異業種なのか?

大企業の中には、いろんな業界・分野に手を出している会社がある。
財閥系と言われる三菱、住友、三井などは、数え切れないほど業界に進出している。

別業界に参入する場合「同じ経営者で良いのか?」という問題がある。
例えば銀行の経営者と飲食業のでは、同じ知識で通用するわけがない。

業界によって給料の相場も違う。
特化した経営者や組織にしないとライバルに勝てない。

業界ごとに分離するという意味の子会社は経営の合理性があると言える。

 

逆に同じ業界の場合は、子会社にする理由がない。

倒れかけた会社に資本を入れて子会社にするときもあるが、吸収合併という選択肢もある。
吸収合併すると同じ会社になるため、数年かけて給料を合わせないといけなくなる。

それが嫌だから子会社という方法を選択する。
つまり子会社の目的自体が格差を作るため。

だから親会社と同じ業界の子会社へ転職するときは注意してほしい。

「ん?この子会社は何の目的でできたのだろう?」と疑ってくれ。
ひとりでも「転職したけど失敗した」と思う人が減ってほしいから。