出戻り転職に必要な2つの能力と2つの運

転職して失敗した。
想像以上にブラック企業に入社してしまいました。
前の会社の方が良かった。

そう思っている人が元の会社に戻ること。
それが出戻り転職。

 

この出戻り転職は賛否がある。
転職サイトが行ったアンケート「貴社では、一度退職した社員を再雇用したことがありますか?」という質問に67%の会社がYesと回答した。

一方、別の転職サイトが「社内に、出戻り転職によって戻ってきた社員はいますか?」という質問には49%の会社がYesと答えた。

アンケートの聞いた業種や土地柄の違いはあるだろうが、おおよそ5割~7割り程度の会社は、出戻り転職を認めている、もしくは過去に雇用した実績があることになる。

 

しかし、出戻りでも色んな種類があり、例えば出産により一度は退職したが戻ってきた人も出戻り転職のひとつ。

そう考えると「もっと良い会社に行きたい」「仕事の内容を変えたい」という理由で退職した人を再雇用する会社は、もう少し少ないかもしれない。

出戻り社員を「一度は裏切った人」などと悪くいう人は一定数いる。
また「会社の人と知り合いという理由で、優先して採用されるのはおかしい」と不公平さに不満をもらす人もいる。

「出戻り社員=ずるい」というイメージも分からなくはないが、出戻り転職は能力がない人はできない。
 
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出戻り社員が持つ2つの能力

私の会社にも数名の出戻り社員がいる。
この人たちは2つの共通点がある。

ひとつはキレイに退職したこと。
退職するときに中には喧嘩別れのようにトラブルを起こす人もいる。
そして「辞める会社だからどうでもいいや」と適当に引き継ぎする人もいる。

こういう人は出戻りの土台に乗ることはできない。

そしてもうひとつの共通点は「前職の人と繋がっている」こと。
出来れば一緒に飲みに行ったり、遊びに行く関係が良いが電話でやり取りしているレベルでも良い。

つまり出戻りの人は、転職サイトやハローワークのように通常の転職ルートを通らず、人脈を使って転職してくる。

「再雇用をすることになったきっかけは?」というアンケートでは、ほとんど誰かからの推薦を受けている。

 

このような人脈をコネという人もいるが、自分で作った人脈は実力である。
人脈を作るためには人間性や人となりが問われる。

そしてキレイに退職することも、その人の人間性であり実力である。

どちらも誰にでもできることではない立派な能力と言える。

前職と繋がっている人はできれば採用決定権を持つ上司が望ましい。
しかし若い人の場合は歳の差もあり、そのようなケースは少ない。

若い人の出戻りは、同期や少し上の先輩(上司)への相談から始まる。
その相談の中で「出戻りしたい」という意思を見せ、その人が面倒見の良い人だと「オレから上司に相談してやるよ」という流れで話が進む。

 

出戻り転職ができる運の要素

キレイな退職して先輩や上司に可愛がられていただけでは出戻り転職は成立しない。
成功させるためには運の要素も絡んでくる。

その一つは出戻り社員を認める社風(会社や上司の考え方)。

出戻りの人を「また退職するのでは?」と信用面で懸念する人もいれば、再雇用後の待遇によっては「長くいる人の士気が低下するかも」と在籍者の気持ちを考える人もいる。

こういう会社には出戻りは叶わない。
これは私たちが「どういう会社を望むか?」が自由であると同時に、会社も「どういう人材を望むか?」も自由であるので仕方がない。

そしてもうひとつ重要なことはタイミング。
会社が人手が足りないタイミングと出戻りしたいタイミングが合わないと難しい。

少し前に私が勤めている会社に出戻りを希望している人がいた。

会社の社風として出戻りは問題ないのだが、ちょうど仕事の受注の雲行きが怪しく「そもそも今人材が必要か?」「この時期に会社の上に話しても通らないだろう」という結論になり断った。

これは状況が違っていれば採用になっただろうが、いつ状況が変わるか明確に言えない。
それを言えるだけの責任が持てない以上、不採用にせざるを得ない。

出戻りで入社後に嫌われる人

出戻り転職を会社が容認していても、全社員が認めているわけではない。
出戻り転職したは良いが、人間関係で苦戦する人がいる。

勤めている会社で「出戻りした人がいるがどうする?」という話が社員同士で話題になったことがある。

その中でこんな事を言う人がいる。

出戻りしたいって都合が良くないか?
例えるなら、他に可愛い人が見つかったから離婚してほしいって言った人。
その人に「もう一度やり直そう」って言われてもねぇ・・・。

その意見も分かる。

しかし私は「入社ってそんなに相思相愛で決まるものだっけ?」と思ってしまう。

特に学生は仕事内容や業界のことが、全く分からないまま入社する。
求人や会社のホームページ程度でなんとなく「この仕事、面白そうだな」と思って入社希望する。

そして会社は履歴書と1度2度の面接のみで、なんとなく「その人だったら仕事を真面目にやりそうだな」と思い内定を出す。

お互い”なんとなく”で結ばれるのが労働契約である。
結婚式のようにお互いに信頼を誓い合うわけでもない。
誓い合ったとしても1/3の夫婦は離婚している。

そう考えると「誰にでも間違いや思いすごしはあるし、また一緒に働きたいって言うんであればいいじゃないか」というのが私の意見である。

それを伝えても出戻りの人に嫌悪感を抱く人もいる。
出戻りの人に対して、あからさま嫌悪感を見せる人は少ないが、腫物のような扱いを受ける。

そんな中でも人間関係を上手くやれる人は謙虚という能力を持っている。
事あるたびに自ら「私は会社の裏切りものですから」と言って笑いを取る人もいる。

つまり出戻り転職する前も後も問われるのは人間性である。

出戻り社員が抱えるリスク

出戻りが上手くいってもリスクがないわけではない。

出戻りした人は退やっぱり出世が遅れる。
日本の場合は出世の要素に勤続年数が関係している。

会社は等級制度があり、その等級に応じて役職が決まってくる。

昇級が試験によって評価される会社もあるが、それでも「あの人は2等級を3年やっているから上げよう」という年齢や勤続年収を考慮され上がっていく。

この制度を使う限り、一度退職すると出世は遅れてしまう。
同期だけではなく後輩にも先を越されることもあり得る。

それに耐えられない人は出戻りはしない方が精神衛生的に良い。

 

それと次に転職することが難しくなる。
人脈あるということは能力だが、人脈を使う以上はその人に迷惑がかかる。

いや、実際には再度退職しても短期で退職しないかぎり、それほど迷惑かからないのだが、迷惑がかかると思ってしまう。

つまり会社と見えない鎖につながれるリスクを抱える。

だから、もし前職の同僚が気軽に「戻ってきちゃいなよ」と言われたとしても、それを受けるには覚悟が必要になる。

 

出戻りが出来なくても気にするな

出戻りが出来る人は

・前職の人と繋がり人脈を築ける(能力)
・キレイな退職した実績(能力)
・出戻り社員を認める社風(運)
・人手不足の時期の入社時期の一致(運)

と運も実力も必要になる。

運がないと出戻りは叶わないのだが、例え叶わなくもて「気にするな」と伝えたい。

出戻りしたいと思う人は「転職に失敗した」と思っている人。
失敗したその時は辛いことなのだが、変な会社やブラック企業を経験したということは、仕事でも人生でも役に立つときが来る。

他の会社や仕事を知れたという経験は大きい。
自分が思っている常識は、他の会社に行ったら非常識なんてことも多々ある。
「自分は仕事ができる方」と信じていた事が、いかに小さな部屋の中の出来事だったか気づかられることもある。

転職の失敗とは人生の失敗と言えない。
出戻りできないと知ったときが、新たな事を経験するチャンスと思えるかどうかで決まる。