CAE解析エンジニアの求人見つけたけどどうよ?現実の仕事と将来性

最近は「CAE解析エンジニア(CAE解析技術者)の募集」という求人を多く見かけるようになった。

CAE解析エンジニアはここ10年、20年でできた職種であり、ネット上にも「働く側の目線に立った」情報は少ない。

  • どんな仕事内容なのか?
  • なぜCAE解析エンジニアという職種ができたのか?
  • 転職するためには何を知っていれば入社しやすいのか?
  • CAE技術者の将来性とは?

が気になるところ。

では、今回は「CAE解析エンジニアに転職しようか?」と転職(就職)を考えている人に向けて、キレイ事なしで紹介していく。

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CAE解析とは何?

まずCAE解析エンジニアの前にCAE解析について。

CAEの読み方はスペルそのままで「シーエーイー」と読む。
computer aided engineering(コンピューター エイディド エンジニアリング)の略であり直訳すると「コンピューターで支援する技術」ってことになる。

仕事の内容を簡単に説明するとコンピューターシミュレーション(CAE解析ソフト)を使って製品の安全性や性能を評価・確認する。

CAE解析エンジニアを知るためには「CAE解析ソフトで何が出来るのか?」を知る必要がある。

CAE解析ソフトって何ができる?

今ではCAE解析ソフトが発展しさまざまな事ができるようになってきている。
今回は多くの会社で使ってるポピュラーなところを紹介する。

応力解析

CAE解析でもっとも多く使われているのが応力解析というもの。

部品の強度を確認するために行われる。

応力とは物体に外部から力が加わったときに、面積あたり掛かる力の量。
材料ごとに変形する応力は決まっているから、応力解析の結果を見ればその部品が耐えられるかが分かる。

下の図は歯車の応力解析した画面。
歯車は歯と歯が接触して力が加わるから歯の一部が高い応力になり、画面上では色によってその応力値が分かるようになっている。

応力解析

流動解析

流動解析は主に金型の分野で使われる。

射出成形や鋳造成形ではドロドロの材料を型に流し込むことで、同じ物が大量生産できる。

その金型の内部は見えないが、CAE解析によりどの部分が流れにくいか?等を調べることができる。

下の図は携帯電話のフロントカバーを流動解析した画面。

流動解析

振動解析

自動車や航空部品は常にエンジンの振動を受ける。
物には固有振動数という固有の値があり、これがエンジンの振動と一致すると振動は増加し破損してしまうケースがある。

振動解析では、どのような振動で(周波数)どのように振動するか調べることができる。

振動解析

解析の種類はその他にも

  • 熱伝導解析
  • 磁場解析
  • 衝突解析
  • 熱伝導解析

などなどさまざまな解析をパソコンの内部で行える。

CAE解析エンジニアの仕事内容とは?

次に一般的なCAE解析エンジニアの仕事内容を紹介する。

CAE解析するためには、部品の3Dモデルが必要になる。
その3Dモデルを作るのは設計者の仕事。

つまり形状を決める権限は設計者にある。
CAE解析エンジニアは設計から依頼を受けて解析することになる。
出た結果を設計者に伝達する、もしくは形状変更案の提案する。

つまりCAE解析エンジニアの仕事は設計者のサポートするのが役割になる。

なぜCAE解析エンジニアの求人が増えているのか?

CAE解析ソフトは20年以上前から多くの会社が導入している。
しかしCAE解析エンジニアの求人は無かった。

なぜ今になって求人が増えているのか?

そこには2つの理由がある。

ひとつは分業化。

以前は設計者がCAE解析ソフトを使っていた。
設計がCAE解析エンジニアを兼任している状態。

それが分業化された理由は情報集約である。

設計者は担当が決まっていて、他人の設計がどうなっているか情報の共有がされにくい。そこで情報を一点に集めるためにCAE解析エンジニアという職種が登場した。

もうひとつの理由は設計者が計算を出来なくなってきたから。

設計者ひゃCAE解析ソフトが出来る前は電卓を叩き計算していた。
部品はどんどん複雑になると計算時間は膨大。

そこにCAE解析ソフトが登場により、とても簡単に時間も短縮されたが、CAE解析に頼り切った時期が長く、今では設計者が計算できないという事態に陥っている。

つまり「CAE解析ソフトに頼るしかない」という時代になっている。

とは言え、実はCAE解析には大きな欠点を抱えている。

CAE解析が活用されるメリットの裏側

CAE解析を導入するメリットは2つある。

  • 試作や試験コストの削減。
  • それに伴う開発スケジュールの短縮

つまりCAE解析を行うことで、パソコン上で結果が分かるから試験する必要がない。
試験を行わないのであれば試作する意味はなくなる。
よって試験や試作に掛かるコストや開発日程が短縮する、と言われている。

実はこのメリットは嘘なんです。

CAE解析が導入されて20年以上。
特にCAEに力を入れている業界は自動車関係と電気製品の業界。

この2つの業界ともに試験は無くなっていない。
たった1社でも無くなった会社は存在しない。

もちろんそれには理由がある。

CAE解析の結果は現実と合っていない問題

実は「CAE解析は実際に行った試験結果と合わない」という致命的な欠点がある。
CAE解析を長年やっている人は「それは現実の条件を合わせてないからだ」と言う。

確かに細かく入力データを合わせると、実際の試験に近づくものの、実用化(試験をやらなくて良い)までにはほど遠い。

CAE解析の現状は試験を実施した後に強引な設定であっても、試験結果と合うように何度もシミュレーションを行っている。

しかし試験をやった後にCAEの解析結果を合わせも意味がない。
試験をやる前に分かる必要があるがそれが出来ない。

これがCAE解析の現状。

CAE解析に出来ることはA・B比較。
つまりAという部品に対してBという製品が「良いか?悪いか?」の判定。

このA・B比較も限定的であり、AとBの形状差が小さければ信憑性は高いが、差が大きいと信憑性は低い。

現在ではCAE解析の信憑性の低さに多くの人が気づいているが、ほかに手段がないので使われている。

「なぜCAE解析と実際の試験結果が合わないか?」の理屈を述べればキリがないが論より証拠。

CAE解析ソフトを作る専門会社も保証はできない

試しにCAE解析ソフトを開発している会社に「金は払う。だからCAE解析の結果を保証して欲しい」と言った場合、どんな返事が来るか?

それは「できません」である。

なぜできないか?の理由はひとつ。
それはCAE解析のプロは、どれだけ突き詰めても現実とは異なってしまう事が多々あるからである。

よりたくさんのデータを集め入力すれば、精度UPは望めるだろう。
しかしデータを集めるのにも膨大なコストが掛かる。

それだけのコストを掛けるのであれば、実際の製品で試験した方がコスト的にも低く信憑性も高い。

それでもCAE解析エンジニアの将来性は高い?

CAE解析の将来性は高い。
それは技術的の話ではなく会社運営の話。

会社というのは常に新しいことにチャレンジし続ける必要がある。
どの会社も生き残りを掛けてチャレンジしている。

CAE解析の信憑性は低いが、日本のものづくりの原点であり合言葉にもなっている「改善」という言葉が下支えをしている。

パソコンの性能も向上するだろうし、CAE解析ソフトも新しいものが開発されるだろう。

しかし雇用面のCAE解析エンジニアはふたつに分かれる。
能力があるものは生き残れるが、そうでないものはCAEオペレーター化されてしまう。

この流れは既に始まっていて、オペレーター業務が楽だからという理由でCAE解析をやっている人もいる。

CAE解析エンジニアの能力とは、CAE解析ソフトを使いこなすことではない。
CAE解析ソフトの難易度はそれほど高くなく、感覚で言えばエクセルの方がよほど難しい。

CAE解析エンジニアに必要なのことは知識や折衝能力や提案能力。
提案する為には、ものづくりの成形方法の知識も必要であり、設計者と変わらない程の力が必要になる。

ただしCAE解析エンジニアは設計者のサポートという役割から、折衝の経験や成形を学ぶ機会は多くない。

積極的に自分から前に出て学ぶ機会を増やす事ができるか?が重要になる。

CAE解析エンジニアになるためには

最近ではCAE技術者(計算力学技術者)の資格もある。
しかし就職するためには資格は不要である。
(参考:資格は転職に有利なのか?役に立つ資格と無意味な資格

就職という目で言えばCAE解析エンジニアはそこまでハードルが高くない。
それは最悪はオペレーターとして雇用が可能であると会社は思っているからである。

この状況は転職しやすい状況。
しかしまったく何も知らないとさすがに採用は難しい。

入社前としては材料力学を学ぶ事をオススメする。
CAE解析で広く使われてるのが応力解析であり、そこには材料力学が必要になる。

もし材料力学と言われてもどこまでやれば良いか分からない人は

  • 静荷重の引張・曲げ・ねじり・曲げの応力値が出せること。
  • 応力値から鉄・アルミ・樹脂などの材料で、許容できるか調べることができること。

ぐらいは理解した方が良い。
これは初級~中級の材料力学の本1冊とネットで各材料の許容応力を調べられれば出来る。

もし余裕があれば

  • 応力値から何万回で疲労破壊を起こすか?回数を推定できること

ができれば高い確率で採用される。

あとは入社後に徐々に覚えていけば対応できるだろう。

おさらい

  • CAE解析エンジニアは、オペレーター化が始まっている。
  • オペレーターになったら先はない。
  • 生き残れるためには折衝能力、提案力、成形知識を身に付けよう。
  • CAE解析エンジニアになるためには材料力学を学ぼう。
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