トップダウンとボトムアップ会社ではどっちか良い?幻想を見た経験者は語る

会社の体系を表す言葉として「トップダウン企業」「ボトムアップ企業」と言われたりする。

 

トップダウンとは、「上の役職の人」が「下の役職の人」に指示・命令をして、会社を動かす。

多くの場合は社長や部長クラスの人が、絶対的な権限を持って決定して行く。
権力者が黒と言えば、例え白でも黒になってしまう。

トップダウンの会社

それに対してボトムアップとは、「役職が下の人」が「上の人」に対して提案を行い、会社を回して行く。
会社は「こうやって良くしたい」という現場の意見を待っている。

ボトムアップの会社

あなたはどちらの会社で勤めたいですか?
私は「絶対にボトムアップがいい」って思っていた。

トップダウンは権力者からの絶対服従のイメージがある。
そして対して、ボトムアップは現場の意見と取り入れる風通しが良い会社のイメージ。

トップダウン型の会社で勤めていると「意見も聞けないバカ社長はもう嫌だ」と思う人も多いだろう。自分も同じだった。

 

でも・・・。

それってボトムアップの会社の実態が見えていないだけで、錯覚ではないしょうか?
ボトムアップ企業に憧れを持って転職を考えている人は考えてみてほしい。

それでは「トップダウンとボトムアップ企業ではどちらが良いか?」について書いていく。

 

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ボトムアップ企業の特徴「提案したならお前がやれ」

ボトムアップの基本は提案。
部下が上司や会社に対して提案して、会社を改善して行く。

ところであなたの職場には「やる気がない人」「言葉たくみに仕事から逃げる人」っていませんか?

会社というのは部署ごとに役割があり、横の繋がりで仕事が回っていく。
依頼した部署がちゃんと仕事をやらないから、結局自分がやっているようなケースもある。

これって会社にとっても個人にとっても良くないよね?

では、これを改善するためにボトムアップ企業で提案をしたらどうなるのか?

 

あなたは上司に提案します。

「こんな状態は良くない。業務の流れを考えて、部署の役割と責任を明確にして、こうすべきだ!」と。

すると上司はこう言います。

「確かにその意見もあるね。ではその部署と打ち合わせを行い整合して下さい」

・・・・。

あなたは他部署に行きます。

でも誰に言えば良いのだろう?
やっぱりその部署のトップの部長かな。

あなたは他部署の部長に意見をぶつけます。

「会社全体を見るとこの方法が最適だと考えてます。その理由はこうです!」

するとその部長は答えます。

「君の意見は分かった。だた、うちは少ない人員の中で、たくさんの業務を抱えている事は理解してくれ。その話しを君の方から、うちの課長に伝えてくれないか?その方が誤解なく伝わるから」

・・・・。

あなた課長に言います。

「こうした方が良いです」

すると課長は答えます。

「話しは理解した。けど仕事には色んなケースがありルールとして決めてしまったら、仕事が回らない事も考えられる。その辺を現場レベルで調整してくれないか?」

・・・・。

あなたは現場の担当者に言います。

「こうした方が良いと・・・」

担当者は答えます。

「はぁ?オレにそんなん決める権限ねーし。みんなが良いって言えばいいじゃん」

・・・・。

あなたは他の現場担当者のひとりひとりに伝えに行きます。

「こうした方が・・・」

すると担当者の人達は答えます。

「課長に言えば?」

「部長に言えば?」

「オレ直接の担当じゃないし」

「私ひとりでは決められないのですが・・・」

「臨機応変にやればいいじゃない?」

「プレゼン資料作って一度、会議を開いたほうが良くない?」

「みんなでネガの洗い出しをした方が良いよね?」

「今、忙しいから無理!」

「資料まとめてよ」

「今日は用事があるんで帰りまーす」

 

そうこうしている間にあなたの業務は止まり、仕事はてんこ盛り。
パンク状態で残業が増やしても仕事が回りません。

あなたは上司に相談します。

「仕事がいっぱいで回りません・・・」

すると上司はこう言うでしょう。

「仕事がたまらないようにする為には、どうすれば良いか提案して下さい」

「提案したら実行して下さい」と。

 

これで何か変わりましたか?

 

大きな事は変えられないボトムアップの仕組み

ボトムアップ企業は提案が基本。
提案が基本だけど、それを実行して行くのは誰?

ボトムアップ企業は提案したら変わるわけじゃない。
上司や社長が変えてくれるわけじゃない。

変えるのは提案者である、あなたです。

 

そして決定には関係者の合意が必要です。
あなたはトップダウン企業の社長ではないから、勝手に決める権限がありません。

多くの人を説得するためには、その意見が良いと言えるデータを集め、変化することに対しての問題点を整理して、ルールを運用する仕組み、恒久的に実行するための歯止め、などなど提案する必要があります。

もちろん提案だけがあなたの仕事ではなく、日常業務をこなしながらです。

あなたは本当にこの人達を説得できますか?

 

オレはね、それができる人は1人、2人しか出会ったことがない。
その人はトップダウンの社長と同じように嫌われている。

理由はトップダウンの社長のように周り人の気持ちを考えず強引に変えるから。

それしか大きな物事を変える方法がない。

 

そして社員全員が一致している意見がひとつだけあります。

それは「オレに面倒な仕事を持ってくるな」です。
これは忙しい会社程この傾向が強く、忙しくない会社には先がありません。

 

トップダウン企業も同じではないのか?

では、「提案したが仕事が増えるだけ」という事態はトップダウン企業にはないのでしょうか?

答えは普通にある。

けど問題は「自分の意見が通らない」ことじゃない。

 

ボトムアップ企業の問題は、会社全体を見渡し実行できる人がほとんどいないってこと。

それに対してトップダウン企業は変化する。
良く変わるか?悪く変わるか?は、その時によって違うが、それでも変わる。

変われる力を持ってる。

つまりトップダウンの社長は、自分が嫌われる役を買って変えてくれるんだよ。

その理由は、自分の会社が倒産してしまうから。
倒産したら金も地位も失い、自分も社員も徒労に迷うから。

つまりトップダウン企業には、少なくても会社にひとり、強い熱量を持っている人が会社にいるってこと。

 

ボトムアップ企業は大企業が多い理由

傾向としてはトップダウン企業は中小企業。
ボトムアップ企業は大企業に多い。

その理由は大企業は歴史ある企業が多く、起業した先代社長が不在になり、熱意が持った人が消えたから。

そういう人が居なくなると、強制的にボトムアップ企業に変化せざる得ない。
責任を取るのが嫌だから「みんなで整合しよう」という方向に向かう。

誰も望んでボトムアップ企業になっていないってこと。

会社が回らなくなるんだよ?
責任持って会社を変える人が居なくなるんだよ?

大企業は小回りが効かない、ってよく言われる理由がこれ。
ボトムアップで「みんなで整合しましょう」だから、なかなか決まらない。

 

ボトムアップ企業は1を変えるのに10の行動が必要になる。
忙しい仕事ほど「この1年はプライベートを捨てよう」という意気込みがないと変えられない。

トップダウン企業は社長に「この案って良いと思いませんか?そうだ!今度お酒をご一緒させてくださいよぉ」と奥の手を使えば変わる。

これを「変わってしまう」と思うか「変えられる」と思うかの差。

 

トップダウンのバカ社長のマネごともできないオレ

転職の経験すると新しい社長に出会える。
トップダウンと言われる社長にも会えた。

その中には「私の車を洗え」という社長もいた。

「ふざけんな!オレは他人の車を洗う仕事についたつもりはない!バカ社長!」って腹を立てた。

けどね、冷静に考えるとだよ。

 

そのバカ社長のマネごともできないだよ、オレには。

二代目社長はともかく、先代社長は自分の私財を投げて一歩間違えば、寒空の下で眠ることになるリスクを背負ってチャレンジした人。

そうなれば家族にも迷惑を掛けて、きっと離婚だろう。

皆さんは新しく立ち上げた会社の何割が残っているか知っていますか?

国税局の調査では10年会社を継続できるのは6%って言われている。
つまり100人の社長がいたら、6人しか継続できない。

この数字はペーパーカンパニーと言われる節税目的の会社も含まれるから、実際にはもうちょっと多いだろうが、それでも厳しい数字。

なにより失敗した時のリスクがでかすぎる。
だからサラリーマンをしている。

 

会社にたったひとり、人生を掛けて勝負して勝ち続けている人がいる。

そんなバカ社長の存在がどんなにありがたいか?を、ボトムアップの企業に勤めて初めて知った。

 

トップダウンには嫌な面があるが

もし、私にもう一度転職する機会が訪れたとする。

その時に余裕がちょっとあり、そして選択肢がこちらにあるのであれば、トップダウンの企業に入りたい。

トップダウン企業にもボトムアップ企業にも納得できない事は必ずある。

 

その時に自分の中で「落とし所」が必要になる。

その落とし所が「自分にはマネすらもできない事を成した人が会社の上にいる」になったりはしませんか?

20代の頃は、そんなことまったく思えなかったが最近になって、ようやくそう思える様になってきた、というのが正直なところ。

なによりボトムアップ企業に幻想を見ていた、のも事実。

 

転職は人生において何度も訪れない。
だからこそどんな会社が理想的なのか?そして現実はどうなのか?を分かった上で選択してほしい。