Skype(スカイプ)というソフトを皆さんは知っていますか?
簡単に言うと、インターネットを使ったテレビ電話のこと。
画面に資料や顔を写し、相手と画像情報を共有することもできる。
その他にファイルのやり取りする機能もある。
(パソコン用Skype画面)
最近では多くの会社が導入し、当たり前のビジネスツールになりつつある。
先日もスカイプを使ってお客さんと打ち合わせをしたばかり。
まだまだ回線が切れてしまったり、音声も画質もいまいちだけど、なんとか使えるレベルになってきた。
最近、このスカイプ(web会議)が転職にも関係するようになってきている。
面接をスカイプで行っている会社が出てきた。
新卒採用では人数が多いから、以前からスカイプ面接する会社があることは知っていたが、ついに転職にもきたか・・・という印象。
そして、私が現在勤めている会社にもついに、転職の面接にもスカイプが導入された。
自分も次の転職はスカイプ面接かもしれん、そんな事を思いながらスカイプ面接の様子を覗いていた。
今回は「スカイプの面接って実際どうよ?」について書いていくよ。
スカイプ(Skype)で面接する・しないは希望性
まずは大切なところから。
スカイプ面接が導入しているからと言っても必須ではない。
多くの会社は、スカイプで面接をするか・しないかを選択できる。
転職する人は色んな事情を抱えているから、その人にニーズに合わせてくれるってわけ。
皆さんはこのスカイプ面接を希望しますか?
スカイプ(Skype)面接のメリットとは?【転職者の目線】
スカイプの面接ってどんなメリットがあるのか?
まずは転職者側の目線からみてみよう。
最大のメリットは遠方の転職先に、わざわざ足を運ばなくても良くなった事。
働きながら転職している人は、とにかく面接の時間を合わせるのが大変。面接の度に有給を何度も取れないよね。
何度も有給を使うと会社から「退職するのではないか?」と疑われるかもしれない。
スカイプを使い面接すれば、有給を取らなくても良い・・・とはまではいかなくても、半休を取れば十分に対応できる。
会社によっては半休も使わずに、外出許可をもらって対応できるだろう。
今までの転職は忙しい仕事で残業が多い人ほど大変だった。
また職種・業種的に責任が重く、責任感が強い人はほど大変。
そのような環境の人は、退職してから転職するしかない。
ただ先に退職すると、貯金も必要だし不安もあるし家族を説得するハードルも高い。
そんな人にとっては救いの手になるのがスカイプ面接。
転職のチャンスを失っていた人に取ってはメリットが大きい。
スカイプ(Skype)はパソコンがないと使えないの?
ここで問題になるのは、スカイプを使う環境。
スカイプを行うのはパソコン、マイク付きヘッドホン(イヤホン)、Webカメラが必要になる。
最近のノートパソコンであれば、マイクやWebカメラが標準装備されているものも多い。
例え標準で付いてなくても、Webカメラは安い物は1000円~2000円ぐらいだし、マイク付きのヘッドホンも1000円~2000円ぐらい。
トータル2000円~4000円。
この金額であれば誰でも整えられる環境だよね。
スマートフォンやタブレットの普及によって、家にパソコンがないんだが・・・という人もだろう。
しかしスマホでもスカイプのアプリってあるんだよね。
(スマホ用Skype)
もちろんタブレットでも出来る。
パソコンもタブレットもスマホを持っていない人はほとんどいないだろうから、今や誰でも簡単に使うことができる。
スカイプ(Skype)面接のメリット【会社側の目線】
企業側から見てもスカイプ面接のメリットはある。
そのひとつが交通費を削減できること。
今では少なくなったが、面接の為に来てくれた人に対して交通費を出す会社もある。
この費用がゼロ。
また面接日の調整が大変なのは会社側も同じ。
働いている人と面接官が空いている日を探すことに苦労している。
しかも採用面接には回答期限がある。
面接というのは相対評価で行われる。
相対評価とは「70点取れば採用!」ではなく「AさんとBさんとCさんの中では誰が良いか?」という判断。
もちろん最低限の合格ラインはあるが、誰かと比較して採用者を決める。
採用枠が1人の場合、Aさんが90点、Bさんが95点の場合、Aさんは高得点でも不採用になる。
ここで問題になるのは、採用・不採用を回答する期限。
常識的には面接日から採用・不採用の連絡は1ヶ月以内。
ということは・・・AさんとBさんの面接の間隔も最大1ヶ月。
これが2人しかいないなら問題ないが、採用希望者が5人・6人と増え、面接日を調整するのは大変な作業。
それがスカイプによって面接日の調整がスムーズになれば、企業としてもメリットは大きい。
・・・。
・・・。
と、ここまでは一般的に言われてるメリット。
ここからは、スカイプ面接の本音に語っていこう。
実はスカイプ面接は一次面接、二次面接は対面になる
スカイプ面接ってとっても便利だなって思う人が多いだろう。
けど、スカイプ面接だけで「採用の合否を出す会社はない」と思った方が良い。
海外とかよっぽど距離がある事情以外は、二次面接があり対面で行われる。
当たり前だけど二次面接を受けて不採用もある。
実はスカイプ面接が始まり、今まで転職の採用面接は一回だったけど二回に増やした会社は多い。
スカイプは交通費もかからず、時間的な負担も少なく気軽に行えるというメリットがあるが、この気軽さゆえに面接回数が増えて逆に転職者にとっては負担になるケース。
会社側から見ると「今まで一次面接だけだったけど、二次面接までやってもいいじゃね?」という発想。
スカイプを使う事によって面接の回数を増やす会社が多くなっている。
スカイプ面接って便利だなって思ったら、実は転職者にとっては負担増。
あなたはスカイプ(Skype)面接を希望しますか?
スカイプ面接の愚痴を言っても仕方ない。
転職者側に選択権があるのは「あなたはスカイプ面接を希望しますか?」ってこと。
自分だったらどうするかな?って考えるわけ。
もちろん海外の会社や飛行機を使うぐらい遠方だったら別だけど、やっぱりスカイプ面接は「希望しない」を選択する。
スカイプは楽だし便利なのは知っているが、楽じゃなく便利じゃないところにもメリットはあると思うわけ。
仕事で電話とメールは頻繁にやり取りしているが、一度も会ったことがお客さんがいる。
そういう人とは「やりづらいなぁ」と感じる。
「メールと電話で用件は足りないのか?」と言われれば問題ない。
では、会ったことがあると無いでは何が違うのだろう。
それは親近感だと思う。
「ただ会っただけじゃん」と言われればそうなのだが、その「会っただけ」が親近感に影響すると思うんだ。
スカイプは相手の声も聞けるし顔も見える。
聴覚からも情報が得られるし、視覚からも情報が得られる。
つまり会った事と変わらないはず。
理屈の上では変わらないはずだけど「それでもやっぱり親近感は違う」と感じる。
スカイプで話すことと会って話すことが変わらないのであれば、友人と酒を飲む時にスカイプが使えるはず。
地元に帰る人もいなくなるし、遠く離れた友人に会いに行くこともないだろう。
理屈では変わらないが、やっぱり私は会いに行くことを選択する。
先日、友人と初めてオンラインゲームをやったんだ。
会ってゲームをしたことは何度もあったが、ネット回線上でやるのは初めて。
その時の感想は「なんか味気なくて、つまらないなぁ」って感じた。
会っても見ているのはテレビ画面だから同じはず。
けど、一緒にコーヒーを飲み、狭い部屋で膝がぶつかりそうな間隔で座ると、同じ時間を共有するという感覚の度合いが違う。
皆さんは誰かの笑顔を見た時に、つられて笑ってしまうことはないでしょうか。
あの感覚はスカイプでは起きず、顔を突き合わせ、同じ場所を共有する必要があるように思えた。
上手く伝えられないが、いくら時代が進化して便利になっても、この感覚はきっと変わらないのだろう。
人ってそんなもんだよね。
営業の仕事は足を使ってる現実
勤めている会社では社内会議はもちろん、お客さんとの打合せもスカイプを使いだしている。
ただひとつの部署は積極的に使っていない。
その部署は営業部。
営業部が商談するときは、足を使ってお客さんに会いに行っている。
お客さんに対して用件を伝えるのが目的であれば、きっとスカイプでも問題ないだろう。
けど営業の仕事の目的は用件を伝えることじゃない。
仕事を取ってくること、そして自分の会社が有利になるように商談を進めること。
その目的のため、仕事に関係ない世間話をちりばめ「自分という人間を伝え」「相手という人間を知ろう」として距離感を縮めていく。
その目的達成するために、わざわざ足を使って会いに行く。
営業部はそれがもっとも良い方法だと考えているのだろう。
つまり要件を伝えるだけでは人間関係はうまく築けず、その合間にあるちょっとした雑談で、相手との距離感が変わるのだろう。
スカイプ面接は転職者に得か損か・・・
スカイプ面接を行って不採用になったとする。
その時にどんな事を思うだろうか。
きっと自分は「他の転職者は面接に行ったのだろうか?」「自分も足を運べば結果が変わったのかな?」と気になってしまう。
後戻りはできないから、結果は変わったのか知ることはできないが、気になってしまう。
そう考えるぐらいならスカイプ面接を選択しない方が良い。
それに面接の目的は、自分を知ってもらうためだけではない。
自分が転職先の会社や人や雰囲気を知る機会でもある。
面接というのは、もしかすると一生勤める事になる会社を決める作業。
会いに行くことで視覚や聴覚以外にも、雰囲気や姿勢を伝えられる事があるし、逆に情報を受け取る事もできる。
この情報が差によって内定後に「オレはこの会社へ転職すべきだろうか?」と悩んだ時に役に立つと思う。
スカイプは仕事でも面接でも使える便利なツールである。
けど、便利がゆえに気づかないうちに失っている事もある。
少なくてもスカイプだけで人間関係を築くのは難しい。
3回スカイプで話すより、1度会った方が人と人の距離感は近くなると感じる。
もちろん距離的な問題や時間の制約で、どうにもならない人はしかたがないが、それ以外の人は、対面による面接の方が良いのではないでしょうか。