転職のワーストケース。
それは入社後に会社と揉めて退職してしまうこと。
それは入社後に会社と揉めて退職してしまうこと。
特にお金の話で揉めると、例え正当な主張をしてギクシャクした関係になる。
私が勤めていた会社でも給料やボーナスで「条件が違う」と言って退職した人がいました。
そして私自身も確認を怠ったせいで、痛い目を見た経験があります。
きっと次の面接では「なぜすぐに退職したのか?」と聞かれるでしょう。
日本では転職回数が多いと無条件で「ダメな人」というレッテルが貼られる。
会社側が悪くて退職しても職歴が増えることには変わりがない。
そうならない為にも、入社前に給料の確認を怠らないこと。
特に転職サイト・転職エージェントを利用する人は注意しないといけない。
転職サイト・転職エージェントの求人は適当
ネット上ではハローワークに対する苦情や悪口をよく見けます。
その中でも多いのが「求人に掲載している内容と実際は違う」という話。
実際に私が働いた会社は「月の残業時間40時間」と記載があったが実際には100時間を超えていた。
これはハローワークが嘘を付いたというより、企業側が嘘を付いている。
世の中良い人もいれば悪い人もいると同じように、嘘を付かない会社ばかりではない。
にもかかわらず、転職サイトや転職エージェントに対しては、こういった批判が少ない。
なぜ少ないのだろう?
それは転職エージェントが掲載している内容は適当だからです。
詳細に書かないと、つっこまれる事がないのです。
皆さんはこういう求人は気を付けて下さい。
「年収で給料を記載する会社」は要注意
下記の求人は実際にある転職エージェントの求人です。
このように年収で給料を掲載している求人は注意して下さい。
ボーナスが年4倍でも32万円しかない会社の実例
ある会社の話です。
この会社の月給は23万円です。
求人にはボーナスは年間で4倍と記載がありました。
しかし入社するとボーナスは半期で16万円しかありません。
こういった会社は基本給が異常に低い会社です。
実際に給料の内訳を見ると
・基本給 8万円
・職務手当 15万円
になっていました。
ボーナスは多くの会社は基本給をベースに掛け算を行います。
ボーナスが4倍でも「8万円 X 4倍」で32万円しかありません。
普通の人はボーナスが4倍と聞くと80万円ぐらいは期待すると思います。
入社した人から見れば詐欺のような話ですが、こういった会社は実際にあります。
モデルケースの給料を記載する求人はもっとひどい
さらに注意が必要なのは、給料をモデルケースとして記載している求人。
もう一度、先程の求人を見て下さい。
よく見てみると年収は「モデル年収」となっています。
モデル年収とは「ひとつの例」であり、いくらでも高く年収を見せ掛ける事ができます。
例えば30歳の人は、
・大卒
・係長
・3人の扶養家族(家族手当)
を想定してした場合の年収かもしれません。
この条件から外れると、求人にある年収より下がることがあり得ます。
そもそもモデルケースとは「適当に書きました」ってことです。
その証拠に年収を月給に置き換えてみます。
30歳の最低年収は400万円です。
ボーナスが年4倍と仮定した場合、16(12ヶ月+ボーナス4ヶ月分)で割るとおおよその月収が分かります。
30歳の月給は25万円になります。
それが35歳になると37.5万円になっています。
これは30歳から35歳の5年間で、毎年2万5千円ずつ給料が上がらないと到達できない金額です。
あなたは年間に2万5千円ほど給料が上がった人を知っていますか?
私はひとりも知りません。
仮に30歳で平社員だった人が35歳で課長に出世したとしましょう。
課長の役職手当ての相場は5万円です。
その他に7万5千円の給料UPが必要です。
年に換算すると1万5千円ずつの給料アップになります。
この数字もほぼあり得ない数字です。
ちなみにこの求人に関しては、「でたらめを書いている」と言い切れます。
なぜ、私が言い切れるのか?
それは私が働いてた会社の求人だからです。
年間の給料アップは2千~4千円でした。
それぐらい「モデル年収とは適当な数字」ということです。
給料は何をどこまで確認すれば良いのか?
では、私たちは給料をどこまで確認すれば良いのでしょうか?
理想はハローワークの求人票です。
私はハローワークほど給料に関して、細かく記載がある求人を見たことがありません。
それぐらいしっかりしている内容です。
(20年ぐらい前はハローワークも給料を適当に記入してある求人がたくさんありました。しかし今は詳細に記載されています。これは皆さんが多くの苦情を伝えた成果かなと思っています(笑))
ハローワークの求人票には
・a 基本給
・b 定額的に支払われる手当
・c その他の手当
の3つ別れている。

なぜ3つに別ける必要があるのか?
それは残業代とボーナスを個人で計算できるようにするためです。
・月給の総額は「 a+b+c 」
・残業の基本時給になるのは「a + b」の金額を時間で割ったもの
・ボーナスのベースになるのは「a 」の金額
に分かれている。
そしてハローワークの求人にはボーナスの前年度実績がある。

つまりハローワーク求人は、自分で年収を計算できるようになっているのです。
私は会社に応募する上で、給料を明確に提示するのは当たり前だと思います。
しかし日本では、入社前に会社と話す機会は面接しかありません。
面接は15分、20分という時間制限がある中で行われます。
しかも面接の目的は採用希望者の審査する場所です。
こういう場所では、給料の条件を細かく聞くことは難しいのが現状。
入社前に確認できるとすれば、内定と入社を合意する間のわずかな期間しかありません。
だから、騙しのような求人に引っかかり、入社した後に後悔する人が出てしまうのです。
日本は労働契約だけがお気軽に契約してしまう文化
皆さんは知り合いに「この契約書にサインしてほしい」と言われたらどうしますか?
多くの人は「どんな内容なのか確認しないとできない」と言うと思います。
しかし労働契約だけは、なぜか給料や労働条件をよく確認せず「大丈夫だろう」で合意してしまう人が多いのです。
入社前に手当ての打ち合わけ等の内容を確認する人はほとんどいなく、入社した後に「ブラック企業だ」と言います。
逆に細かく確認すると、人事担当が嫌な顔をする人もいるぐらいです。
しかし嫌な顔をされようが最低限の事は確認しないといけません。
最低限としては「手取り総額」「基本給」「前年度のボーナス実績」の3点です。
もちろん給料は個人差があり、入社しないと確定した金額は言えませんが、最低金額ぐらいは抑えるべきです。
ここで利用すべきは転職エージェントの存在です。
転職エージェントは、私たちと会社の仲介役です。
会社に聞きにくい給料の話は、転職エージェント経由で確認すれば良いのです。
但し「紹介してきた全ての会社の給料の詳細を出せ」という膨大に時間がかかる要望は飲んでくれません。
しかし、行きたい会社の数社に対して「手取り総額」「基本給」の最低額と「前年度のボーナス実績」を聞くぐらいであれば対応してくれます。
ただ聞くだけのことですが、それをやる人は多くありません。
労働とは契約です。
契約には条件が付き物です。
後になり「条件が違う」「ブラック企業だ」と嘆くのではなく、しっかり確認することが後悔しない近道です。