当たり前の話だが、転職する前には退職しなければならない。
退職するときに頭をよぎるのは「退職の意思を伝えるタイミングによっては、ボーナスって貰もらえない?もしくは減額の可能性があるか?」という問題。
ボーナスとは年2回あり一般的には6月と12月。
ボーナス額は会社によって大きく違い、年間で月給の1倍以下の会社もあれば5倍以上の会社もある。
ボーナスがゼロという会社も珍しくはない。
職種や業界によって年収は大きく違うが、その差を大きく分けることになるのがボーナス。
ボーナスが年5倍の人は、年で12ヶ月分の月給と5ヶ月のボーナスが足され、合計17ヶ月分の年収になるのだから大きいよね。
例えボーナスが1ヶ月分でもないよりはあった方が嬉しい。
そんなボーナスが退職の時期によって、減額やもらえないって可能性はあるのだろうか?
もしそんな事があれば死活問題になる人もいるだろう。
では今回は「退職時期を間違えるとボーナスがもらえなくなるか?」について書いて行くよ。
弁護士は言う。就業規則に記載があればボーナスはもらえると
最近では弁護士が答えるインターネット掲示板がある。
そこには、こんな質問がある。
この内容を読んだ感想は「誰に何を聞いとんねん」である。
というのも弁護士(男性)の7割以上はサラリーマンではなく独立している。
つまりサラリーマン経験が乏しいのが弁護士という職業。
その辺を歩いているおっさんの方が、サラリーマン歴は長く会社の事情をよく知っている。
そしてボーナスを払う法律なんか存在していない。
だから弁護士は「なんとか法には」とは言わずに「就業規則を見ろ」としか言えないんだよ。
そしてもっと重要なこと。
それは「就業規則に明確に記載があり、かつ裁判をすれば支払われるよ」という大きな意味が抜けている。
もし会社が支払う意志がないなら裁判しかない。
【実話①】現実の会社を見ろ!ボーナスの1週間前に退職を伝えた友人の話
現実の会社はどうなっているのか?
ここで友人の話を聞いてほしい。
友人は14年間、ある派遣会社に勤めた。
派遣会社といっても正社員で雇用され、そこから別の会社に派遣されている形態の会社。
いわゆる常用型派遣エンジニアと言われる職業。
会社の資本金は7千万円で従業員は300名を超えている。
大手派遣会社と比べたら小さいが、そこそこ大きな規模の会社である。
その友人が会社に退職を告げた。
伝えた日は6月4日。
ボーナス日は6月15日。
ボーナス日の9日前に退職を告げたことになる。
退職を告げた日から15日後である6月19日に退職した。
つまりボーナス日の6月15日には在籍していた事になる。
その友人のボーナスは・・・。ゼロである。
友人曰く「前の会社って派遣会社の中ではそこそこの規模だよ。それがまさかゼロになるとは思わなかった・・・」である。
しかし友人の会社の就業規則に「退職を伝えてから1ヶ月後」と書かれていて、友人は就業規則違反している。
そしてボーナスに関しても就業規則に「支給日に在籍している者に対して支給する」と記載がある。
つまりお互いが就業規則違反である。
とは言っても、裁判をすれば全額かは分からないが、いくらか支払われたであろう。
友人が退職を15日後に区切った理由は、次の転職先が決まっていて入社を迫られていたから。
転職は入社直後は覚える事が山積みで、人間関係を構築しなくればならない大変な時期。
そんな時期に自分で裁判所に出廷して争う時間あるのか?
裁判所は土日休みだから平日対応は逃れなれない。
弁護士に頼めば高額な弁護士費用が請求される。
そんなことしたらほとんど手元に残らない。
とても簡単な残業の裁判でも弁護士費用の相場は30万以上だよ。
(残業代を出さないのは明らかな法律違反なので、弁護士などいなくても勝て、誰でもできる裁判)
裁判することにリスクもあり、結局はボーナスはゼロのままになった。
【実話②】ボーナスをめちゃくちゃ減額された別の友人
もうひとりの友人の話を聞いてほしい。
その友人は不動産関係の営業マン。
社員数は500人以上であり、資本金は7億円を超える。
大企業に分類される規模の会社である。
この友人が会社に退職を伝えたのは3月初旬。
4月の中旬には退職日を希望を出していたが、大きな仕事があり会社から「もうちょっと退職日を伸ばしてほしい」と言われてた。
友人は大きな仕事が気になっていたのと、ボーナスが貰えるなら、という気持ち半分で5月までは働き6月は有給消化にあてた。
ボーナス日は過ぎてからの退職になる。
その会社のボーナス実績からみると30~40万円はもらえるはず。
それがフタを開けたら・・・5万円。
シャパネットたかたもびっくりの価格破壊である。
そして・・・これは裁判してもボーナスの残りを満額取り返すのは難しいだろう。
というのも、オレはボーナス倍率に対して計算式を開示している会社を見たことがない。
きっとあなたの会社の就業規則には、こんな感じの言葉あると思う。
「会社の営業成績と各人の勤務成績を勘定して賞与を支給する」と。
つまりは会社の自由なんだよ。
オレのどこが勤務成績が悪かったんだ!と言ったところで引っくり返すのは難しい。
例え優秀な人でも凡ミスはある。
あら探しされたら多くのミスがあるだろう。
そのミスを題材にしたり、会社の期待値と比べられたらと言われたら・・・反論が難しい。
「それでも田中君よりは良かったはずだ!田中君の評価とボーナス額を教えろ」と言っても「個人情報になるので開示できない」と言われるのがオチ。
ボーナスの考え方とは?
例えば5月に転職して6月のボーナスを迎えると、ボーナスは満額もらえるのか?
その答えは会社によってはゼロだし、もらえても数万程度になる会社がほとんど。
つまりボーナスは「過去の実績」によって決まり、「これから頑張ってほしい」という意味ではない事が分かる。
そして退職の意思を伝えてからボーナスを迎えると、報酬はゼロになる会社もあるし減額される会社もある。
つまりボーナスは「過去の実績」ではなく、「これから頑張ってほしい」という意味になる。
矛盾。
めちゃくちゃ矛盾。
だけどボーナスも退職金についても保護してくれる法律はない。
(だからボーナスがゼロの会社もあるし、退職金がゼロの会社もある。個人と会社の雇用契約がどうなっているかで決まる)
法律で守られているのは給料のみ。
そして「君のボーナスは30万円もらえると思っていたのか。分かった!君のために3万円で裁判を受け持とう!」という弁護士なんかいない。
つまりあなたは自分で身を守る必要がある。
ボーナス時期に退職するならボーナス日を過ぎてから
「まさかうちの会社はしっかりしているから」と思っている人はいないだろうか?
そう思っている人に継ぐ。
それは過去に退職者がいて、ボーナスを満額もらったという実績があってのセリフか?
もし実績があり会社の業績が変わってないなら、ある程度信用できる。
しかし退職した人と繋がっている可能性は低いし、その人がボーナス時期に退職した人でなければならない。
そういった知り合いがいない人は、これから言うことを聞いてほしい。
ボーナス日が有給消化中であろうが、普通に出勤してしていようが、ボーナス日の前に退職することを伝えたらボーナスがでない会社がある。
退職の意思を会社に伝えるのは、ボーナス日を過ぎて振り込まれた事を確認した後の方が良い。
会社はボランティアでも慈善事業でもない。
お金を稼ぐためにビジネスをしている。
ボーナスを縛る法律はなく、会社はそれを知っている。
そして我々も仕事とはお金を稼ぐために行うもの。
他にやりがいや目的があっても良いが、主の目的は稼ぐこと。
あなたはその目的を忘れてはいけない。
そして会社は目的を忘れていない。
つまり自分の身は自分で守る、そしてボーナスを守るためにはボーナス日を過ぎてから退職の意思を伝えること。
不安な人はこれしかない。
おさらい
- ボーナス前に退職を伝えるともらえない会社、減額される会社は普通にある。
- ボーナスを守ってくれる法律はない。
- 仕事の一番の目的は金だ。それは会社も働く人も同じはず。