「転職が不安で理解できない妻」と「転職に追い込まれる夫」と家族の溝

男性が転職を決断すると最初にやるべきこと。
それは家族の説得である。

家族とは親、妻、ときには子供も対象である。

その中で一番話がこじれるのが妻への説得である。

妻という存在は、ずっと人生を共に歩むと互いに決めた存在。
しかし転職をきっかけに離婚になってしまうケースもある。

最近、友人が転職をきっかけに離婚した。

今回、話の題材とする友人の話は、ちょっと極端な例である。

しかし「互いが理解できずに離婚」というのは誰にも可能性がある。

家族がいるが転職を考えている人。
夫がなぜ転職しようとするか理解できない人。
妻に理解されない人。
毎日のようにケンカになってしまう人。

そんな人は、反面教師として小さな家族の話を聞いてほしい。

SPONSORED LINK

30代半ばで転職に悩む夫の話

友人は5年前に結婚した。
歳は30代半ばで、1歳になる娘がいた。

妻は日本人ではなくフィリピン人。
いわゆるホステスの仕事をしていたが、出会いは夜の街ではなく知人の紹介である。

言葉は日本人同士のようにスムーズではないが、大抵のことは理解できる。

妻になる彼女はビザが切れ不法滞在だったが、友人が大使館に何度も足を運び、結婚に至った。

夫の仕事は土木建築業。
具体的には建築現場で鉄骨を組み上げる「とび職」と言われる仕事だ。

とび職の仕事でよくある話だが「社会保険なし」「年金は国民年金で全額自腹」「退職金なし」である。

しかし日当は17,000円であり、給料は所得税しか天引きされないため、手取りの金額は大きい。

そんな友人が妻に「転職しようと思っている」と告げた。

家族への想いが強くお金が必要な妻

妻はフィリピンで産まれ育ったフィリピン人であり、もともとは日本には縁もゆかりもない。

その妻が日本に来た理由は、家族を支えるため。

「弟や妹を学校に行かせたい」
「家族にひもじい想いをさせたくない」

という動機で日本に出稼ぎにきた。

家族のためとはいえ、女性がひとり見知らぬ土地で、危険がないとは言えないホステスという仕事をする決意は、きっと日本の男性も女性も出来ない決断だろう。

妻はお腹が大きくなる限界まで、ホステスで働いたのも家族へ仕送りするため。
出産後も3ヶ月程度で仕事に復帰した。

昼間は自分が子供の世話して、夫子が帰ると仕事に行く。
そんな生活を送っていた。

その理由は母国に住む家族への仕送り。

そんな日々の中で夫に「転職したい」と告げられる。

夫の転職したい理由が理解できない妻

夫の転職理由を聞くと「将来性」と言う。

国民健康保険ではなく社会保険。
国民年金ではなく厚生年金。
そんな会社に勤めたいと言う。

しかし給料の総額は減る。

給料は会社による違いよりも業種によって、おおよその相場が決まってくる。

社会保険や厚生年金が完備されていても、自腹で国民保険や国民年金を払った方が得なのである。

これが妻には理解できない。

夫は加えて言う。
「今の仕事にやりがいが感じられない」と。

妻はホステスをやりがいで働いている訳ではない。
自分と比較して「甘ったれ」に見えたのだろう。

「やりがいの無い仕事」に落ち込み続ける夫

夫が目指した職業は不動産業である。
とび職をやる前の仕事は、不動産業に勤めていた。

その会社が倒産になったときに、友人に誘われた仕事がとび職である。

初めはアルバイト感覚であったが、づるづると半年ほど続けると社長から「社員にならないか?」と誘われる。

その時は結婚なんて考えてもいなかった。
まだ妻に出会う前の出来事。

どうせ続けるなら給料が良いし「正社員になるか」という感じスタートした。

友人は仕事内容が合わなかったわけではない。
合わなかったのは同僚や職場の雰囲気である。

休み時間のたびに、パチンコ・競馬・キャバクラ・風俗の話ばかりの職場の雰囲気が合わなかった。

それに加えて普通の会社のように役職もないから給料は一定である。
雨の日は仕事がなく、日当制だから給料が減る。

小さな会社は倒産も多く離職率も高い。
ケンカして辞めてしまった人もいる。

「オレは60歳までこの仕事を続けられるのか?」
「別の道もあるのではないか?」

そんな気持ちが転職の動機となった。

転職がきっかけでケンカが頻繁になる夫婦

夫は妻に転職したい理由を何度も伝える。

妻は本当の意味で夫がどんな仕事をしているか知らない。
辛い話や大変さを聞いても、仕事風景を見れるわけではないからピンと来ない。

そして妻も必死で働いているのも事実。

仕事とは趣味でもボランティアでもない。
生活のため、生活を豊かにするためにお金を得る手段が仕事である。

給料を下げてまで、やりがいのやる仕事ってなんだろう?
妻である自分や子供、お互いの家族より、自分を優先しているのではないだろうか?

自分勝手な夫。

一方、夫は。

妻は長い長い期間を働かなければならないプレッシャーを理解してくれているのか?

5年10年仕事を続ける事と40年働かなければならない環境は、似たように見えて仕事のプレッシャーは大きく違う。

自分の家族はもちろん、年金暮らしになった父、介護が必要な母、妻の両親も肩に乗せ続ける。

現在だけではなく10年後、20年後も考えないといけない。
短期ではなく長期的なビジョン。

そして転職はいつでも出来るほど甘くはない。
転職には適齢期がある。
30代半ばの自分は適齢期のギリギリと言えるのではないだろうか?

転職を経験し楽ではないのは知っている。
今より必死で学ばないと付いていくこともできないだろう。
年下でも関係なく頭を下げることも増える。

それでも「家族のため」と決意したのに、支えてくれない妻。

初めは冷静に話し合いができたが、いつの間にか怒鳴り合い、けなしあい。

家族とは支え合う味方のはずなのに?

転職の応募して5社目に内定を取る夫

妻は完全には理解してくれたわけではない。
それでも夫は不動産関係に絞って転職活動を初めた。

転職は簡単ではない、分かっていても不採用通知を見ると落ち込む。

めげずに働きながら転職活動を続けること5社目。
ひとつの会社が内定を出してくれた。

転職を決意して半年以上。
妻に打ち明けケンカばかりになってから4ヶ月以上。

ようやくひとつの結果が出た。
いつかきっと妻も理解してくれるだろう。

生活のためギリギリまでとび職を続けよう。
日曜日も今の会社で働き、次の月曜日から新しい会社へ出勤。

そんなスケジュールを立てた。

そして日曜の最終出社日。
社長や同僚、共に働いた他社の人たちに頭を下げて、最後のお礼を伝えた。

残業も終えて帰宅すると夜の9時。
「ただいまー」とアパートの玄関を開けると・・・ない。

家にある多くの物がない。
妻も子供もいない。

食卓の上にある5万円・・・。

・・・。

・・・。

それで全てを察した。

月曜日に夫はとび職時代は「汚れるから」と、一度もしなかった結婚指輪を薬指に付けて出社した。

慣れない仕事を終えると毎日妻を探した。

妻の仕事先。
妻の友人。
一度だけ合ったことがある妻の親戚のおばさん。

6ヶ月後、夫が会社に伝えた言葉は

「履歴書に既婚と書き、家族手当をもらっておりましたが・・・申し訳ありません」

だった。

その日以来、会社に指輪することはない。

風の噂では妻は故郷のフィリピンにいるらしい。

4年が経つ現在もその家族が出会う事は一度もない。
その後、会うことも無いまま書類上の離婚が成立する。

友人の身に起きた実話である。

転職とはなんだ?結婚とはなんだ?

転職と結婚には共通点がある。
それは先の未来を想像し、その未来は明るく見えたもの。

暗い未来を想像して結婚や転職する人などいない。

そう考えると共にハッピーな事なんだろう。

ただし仕事にはお金が絡む。
お金は人を幸福にも不幸にもする力がある。

夫婦のすれ違いは、この幸福の価値観の違いではないだろうか?

どちらが良い悪いではなく「幸せとはなんだ?」の定義が違った。

貧乏は不幸せか?
出世することは幸せか?
忙しいことは不幸せか?
贅沢は幸せか?

それはその立場に立ってみないと分からない。

ベロベロに酔った友人は言う。

「何があっても無くても笑っていれることが幸せなのに」

この言葉が妙に納得させられた。

きっと結婚も仕事もお金も「笑うためのツール」なんだろう。

目的ではなく、あくまで笑うための手段に結婚がありお金があり仕事がある。

そう考えると転職のために夫婦仲を悪化させた友人、そして過去の私も滑稽に見えた。

何してだろ?

みなさんも自分や身の回りの人が、一分でも一秒でも笑っている時間にしませんか?

その為ならお金や仕事や、ましてや転職なんてどうでも良いこと。

SPONSORED LINK
SPONSORED LINK

シェアする