面接にきた規格外の面白い男とあり得ないミス【実際にあるバカ話】

転職活動は疲れる。

退職も疲れるし仕事探しも疲れる。
職務経歴書も面接対策も疲れる。

人ってずっと気張っていると疲れてしまうよね。
そんな方はコーヒータイムしてちょっと休憩してみませんか?

今回は面接官をやっていた時期に、一番びっくりした人物の話。

世の中は広くて、規格外の人に会うと「自分が見ている世界って狭いんだな」って思わされる。
特に不特定多数の人が集まる場所ではそんな人物がいる。

その不特定多数が集まる場所のひとつが面接。

面接官をやっていると「まじかお前」という人に出会ったりするもんで。

これを面白い話と言っていいのだろうか?
まぁ、世の中そんな人もいるのか・・・という感覚で読んでくれ。

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採用現場の実態

今か数年前、2013年ぐらい話。

ものづくり系の仕事で面接官をしていた。
面接官といっても採用の判断権はなく、部長にくっつかって面接を行ない助言する程度の立場。

世の中は本当に広くて不思議な採用希望者がいる。
職歴があるのに職務経歴書を付けない奴や、履歴書を鉛筆で書く人もいる。

こんな書類を見ると「なぜこれで採用したいと思われるって思ったのか?」を会って聞いてみたくなる。

だがそんな人を書類選考で通すわけにもいかないから、普通は会う事ができないわけだ。

けど偶然にもに書類審査というふるいを通過してくるグレートな奴もいる。

面接に緑のTシャツの男。現る

その日はひとりだけ面接を行う予定があった。

たがオレは数日前に仕事のトラブルがあって、その対応に追われ連日バタバタしていた。

書類選考は部長ひとりで行ってくれた。
きっと気を使ってくれたのだろう。

正直な気持ちは「面接も部長ひとりで頼むよ」と言いたくなる状況。

しかし当日の朝に部長の方から「今日1時から面接あるから〜」と先手を打たれ言い出せなくなってしまった。

面接時間が近づき面接室に向かう。
向かう途中に受付の近くを通るとひとりの男が立っていた。

「面接に来た人だろうな」って思って声を掛けようと思ったら異変に気づく。

その男は緑のTシャツを着ていた・・・。

「え?この人って面接?」って迷ったが部外者であることは間違いない。

その会社で働いている人は作業服かスーツのどちらかだから私服の人なんていない。
出入りする業者も作業服かスーツ。

だから異様に目立つ。

会社というのは業界ごとに文化が異なり、私服で働く仕事もある。
その業界内では大切な取引先でも私服で行く会社もある。
しかし他の業界の会社へ行くときはスーツだよ。

しかも面接であれば尚更だ。

なのにTシャツ・・・。

しかも緑色・・・。

よし!頭の固いおっさんと思われたくないから、100歩譲ってTシャツは良しとしよう!

けどなんで緑?
Tシャツが一枚しかなくて、しかもその一枚がたまたま緑だったってこと?

どんな確率だよ。

よく見たら手ぶらだし。
ここはコンビニか。

風貌がちょっと怖かったが勇気を出して声をかけてみた。

「あのーすいません。もしかして面接の方ですか?」

するとTシャツの彼はモゴモゴ話しだした。

「あ。はい。でもちょっと・・・ちょっと待って下さい」

彼の返事でもうひとつの疑問が浮かぶ。
なぜ、面接に来て待つ必要があるんだ?

たしかに面接の時間までは数分あるのは確か。
それは確かだが別に時間ぴったりにする必要もないし。

「え?待つ?どうしたんですか?」と返すと「えぇ。ちょっと」。

意味が分からない。
どうしたら良いか分からない。

そう思った瞬間に遠くの方から歩いてくる男がいる。

その男は灰色のスーツを身にまとい、黒のビジネスバック、口元とアゴには白髪交じりのヒゲ。
推定50歳。
ダンディーという言葉を形にしたような男。

そのダンディーと目が会うと歩きながら軽く会釈をしてきた。

「やべ。今日どこかの業者と打ち合わせの予定があったのか?!最近バタバタしていて忘れたか?」と思いプチパニック。

焦りながら会釈を返すと目の前に来てこんな言葉を発した。

「どうもお世話になります。息子をよろしくお願いします」

意味が分からない・・・。

状況が理解できない・・・。

疑問しか浮かばない・・・。

パニックというか混乱状態と入った方がニュアンスが近いだろう。

落ち着くために状況を整理しよう。

今日は面接の予定があった。
しかし業務上のトラブルで激務となり履歴書や職務経歴書を見れていない。

その面接者と思われる人物は、手ぶらでTシャツで現れた。しかも緑色。

するといかにも仕事ができそうなダンディーが現れ「息子をよろしくお願いします」だろ。

ってことはだよ。

面接で初の親子共演ってことだよね・・・。

よし!念のために確認してみよう。

「え?親子ですか?」

ダンディー「ええ。そうです。今日は息子が面接ということで心配になったので来ました」

もう一度「息子」という言質を取ったぞ。
取ったがいいが状況は何も変わらず・・・。
新しい情報は「心配になったから来ました」という事柄。

親が息子を想う気持ちは理解できる。

その息子が成人を過ぎたらちょっと過保護にも見えるが、それは人それぞれの価値観。
少なくても他人のオレが口を出す事じゃない。

心配ならなぜ息子は手ぶらなんだ?

心配ならなぜ息子はTシャツなのか?

そしてその息子が緑色のTシャツをチョイスした理由はなんだ。

そんな疑問が頭の中をぐるぐるまった。

つい何秒か前に息子の方に「ちょっと待って下さい」という言葉に「なぜ?」と言ったばかりだが、オレの口から出た言葉は「少々お待ち下さい」だった。

小走りで部長いる面接室に向かった。
ドアを開けると部長がすでに座っていた。

「部長。今日面接ですよね?」

「そうだよ。だからここにいるんだろう?」

「まぁ、そうなんですけど面接者が来ています」

「だったら呼びなさい。待たせるのは失礼だろ」

部長の言うことは正論だった。

「面接者は2人です」

「2人?いや今日の面接する人は1人だよ」

これも部長は正しい。

「それが・・・父親と二人で来て・・・しかもTシャツで・・・しかも緑なもんで・・・」

「ちょっと待て。言っている事が分からんよ。最後のミドリというのはなんだね」

「いやミドリは個人的に引っかかっているだけなんで置いておいて下さい。とりあえず父親と二人で来ました」

「なんで?」

それは知らん。おれが聞きたいよ。

数秒間の沈黙のあと部長が続けた。

「とりあえず呼びたまえ」

「どっちを?」(タメ口)

「・・・・募集したひ・・・いや。どっちもだ!」

こんな感じで親子を同時で面接することになった。
同時と言っても親父の方は応募してないからもちろん採用になるわけじゃない。

なぜ採用されない人がここにいるんだ・・・。

面接で緑Tシャツ野郎と親父のタッグマッチ

なぜか面接は緑Tシャツと親父のタッグマッチ戦になった。

Round 1 Fight!

面接は案の定な展開になる。

採用するための面接とはほど遠く、我々の疑問を解消するような質問ばかりだった。

その質問に対して返事をするのは親父の方なんだ。

「まず・・・なぜお父様がいらっしゃったのですか?」

「いや。心配だったからねぇ」

心配だから来て良いものではないのだが。

「いや。お父様の方ではなく息子さんの方に聞いているですよ」

「息子はあがり症で人前ではあまり話せないもんで」

その時点で不採用だよ。職場にも親父が来るつもりかよ。

「息子さんはなぜ今日Tシャツなのですか?来る前に事故か何か?」

すると息子が「ダメですか?」

話したと思ったらなんだよその返し。
ダメに決まってんだろうがよ。
「事故か何か?」ってフォローに気付けよ。

面接は終始こんな感じで進んだ。
部長の怒りが爆発するのが怖かった。

おれが質問をすると親父が返す。
息子がたまに話しと思ったら、アホみたいな返しだから、部長を怒らせないためにオレがフォローする。

そして部長はずっと無言。

なんだこのコントみたいな展開は。

面接のその後

無事に・・・いや、まったく無事ではないが面接は終わった。

おれに採用の判断権はないがもちろん不採用。
採用したらオレが退職する。

面接が終わった後は部長と二人で話し合いがあるのだが、その日はお互い無言だった。

仕事はトラブルの案件で山積みだったが、どうしてもTシャツ野郎の履歴書が気になった。

というのもTシャツ野郎の履歴書を見ていない。
今回は部長がひとりで書類選考をした。

部長の席に置いてある履歴書を手に取ると・・・ある事実に気づき愕然とした。

だって履歴書の写真も緑のTシャツなんだもん。
ぜったい同じTシャツ。

「この写真の時点で落とせよ」って言いかけた次の瞬間。

足元に一枚の紙が落ちた。

拾ってみるとそれも履歴書だった。

それを見て腰を抜かすことになる。

その履歴書は別の人物で、工学系出身でTOEICが700点以上だって。
TOEICって英語のテスト。
700点はオレには天地がひっくり返らないと取れない点数。

そう言えば先日部長が言っていた。

「2年後ぐらい先になるが海外に新しい工場ができることになったよ」

・・・。

・・・。

絶対に面接に呼ぶ人を間違えてんじゃん!

総務部に詰め寄るオレ

仕事が山積みだったことを忘れ、TOEIC700点男の履歴書を持って総務部へ急ぎ足で向かった。
というもの、書類選考や面接は各部署が対応するが、採用希望者と調整するのは総務部の役割だった。

総務部を覗くと一人の女性が見え「ちょっと」と手招きして呼んだ。

「はい。なんですか?」

「すみません。この履歴書の人ってどうなったんですか?」

「どうなったとは?」

「いや。面接するとかしないとか通知だしてますよね?」

「ちょっと履歴書を見せて下さい・・・。あーはい。不採用で通知を出しましたね」

「・・・」

「・・・」

終了です。

撤収お願いしまーす。

仕事に戻ります。

今日も1日頑張るぞ。もうすぐ定時過ぎるけど。

ちっともやる気が出ないけど。

お客に誤りと言い訳の資料を山ほど作らないとね。

会社の採用なんてあり得ない凡ミスで不採用になることもある

もし仮にうちの会社を第一志望にしていた人がいるとする。

その人から見たら、人生を掛けた大一番のつもりで書類を作るだろう。
書類を出した次の日には頭を切り替えて、面接した場合のイメージトレーニングをしているだろう。

自分も転職を経験しているから、その辺の気持ちは分かる。

それを凡ミスで不採用になった事を知ったら大激怒だよ。

ありえないだろ?

けど、実際にありえているんだよ。

もっと沢山の応募がある会社は、もっとミスがあるのかもしれない。
人がやる以上、ミスがないなんてあり得ないのだから。

ダブルチェックしたってミスはある。
チェックリストでミスがなくなるなんて幻想だよ。

チェックリスト程度でミスがなくなったら、オレがトラブルに巻き込まれることはあり得なかったのだから。

転職は一社ぐらい落ちても落ち込むことなかれ

転職って残酷な側面がある。

転職する時は一生懸命に転職先の事を調べる。

調べて調べて「いいね」「お。いいね」と思う回数が多いところが第一志望になる。

そして真面目な人ほど意気込み一生懸命に書類を作り面接に挑む。

そして不採用。
不採用の理由は変わらないが不採用。

これを何度か繰り返す作業が転職である。

これって学生時代の恋に似ている気がする。

クラスに可愛い子がひとり見つかる。

2ヶ月後その子の事がちょっと分かり好きになる。

少し話してもっと好きになる。

仲が良くなりもっと好きになる。

そして告白し振られる。
振られた理由は分からないが振られる。

これを繰り返すのが恋愛だったりする。

転職も恋愛もダメだった理由は分からないんだよ。

例え不採用の理由を聞けたとしても、それは本音ではなく建前。
本音を言っている可能性もあるが、それが本音かどうかなんて知る由もなく。

そう考えるとさ。

第一志望の転職先に不採用になっても落ち込む必要があるのか?って思うんだ。

不採用の理由も分からず、ましてや会社側の凡ミスかも知れないのだから。

そんな凡ミスする会社なんかこっちから願い下げだよ。
その会社に勤めているオレが言うのは間違いだけど。

つまらない雑談話でした。
お後がよろしいようで。

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