残業地獄からの脱出方法。労働基準監督署に電話した結果

残業時間が多くて体はボロボロ。
家族と話す時間も友人と会う時間もない。
風呂と飯と睡眠のためだけに家に帰る。

生きるために仕事をするのか?
仕事をするために生きているのか?

友人からそんな辛い相談を受けたことがある。

今回は残業地獄の会社に勤める友人を救った話。
もし周りに似た環境の人がいたらアドバイスしてあげてくれ。

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残業地獄の会社の実態。改善されない環境

2005年前後の話。
友人はトラックの一部を作る工場に勤めていた。
主にコンビニの配達に使うような小型トラック。

その当時、田舎の町にもコンビニがどんどん数を増やしていた。
時代の流れに乗って、その会社の景気は右肩上がり。

その工場で友人は最終検査を受け持つ部署にいた。
その部署の人数は2人。
20代半ばの友人と45歳ぐらいおっちゃん。

勤務形態は交代制なんだ。
2人で交代制ということは、どちらかが早番ならもう片方は遅番。

トラックの最終検査する部門ってことは、トラックが完成しないと仕事が始まらない。
朝一番でトラックが完成することはない。
と、言うことは必然的に午前中は暇、ある時間を境に急に忙しくなるような仕事。

お客さんは一台でも早く車が欲しい。
納期は今日検査したものは翌日の朝10時に出荷される自転車操業。
自動車作っているのに操業は自転車。
(上手いこといった?)

早番はAM8時~PM5時、遅番はPM5時~AM2時が定時。
けど毎日6時間~8時間ぐらいは残業があった。
休日出勤もあった。

残業地獄の末、徐々に精神的にダメージを受けた友人の姿

友人は月100時間以上の残業を4年間続けていた。

初めの数年は「辛い辛い」と言いながらも笑顔があった。
若いということで体力はあったし、ストレスもあったのだろう。
そんな労働環境だがストレス発散のため、体にムチを打って一緒に遊びに行くことも多かった。

けどある時を境に電話もなくなり、心配して会いに行くと笑顔もなくなっていた。
それから友人への説得が始まった。

  • その仕事は一生続けてはいけないこと。
  • 工場で残業ばかりだと視野が狭くなっているが、世の中いろんな職業があること。
  • 自分の体を壊してまで、会社へ義理を果たす必要がないこと。

こんなことを言って転職することを進めた。
それが出来ないのであれば「おれが勝手に労基署(労働基準監督署)を使う」と言った。

国の機関である労基署に労働基準違法だって訴える事を伝えた。

簡単にいうと、二者択一を迫ったんだ。
強引なやり方だったと思う。

友人はだいぶ悩んでいた。

  • 高卒の自分は転職ができないじゃないか?
  • 労基署に告発したら、自分は会社に居られないんじゃないか?
  • かと言っても、体が心配でこのまま会社を続けなれない。

悩んだ挙句「労基署を使ってくれ」と言われた。

正直、おれ自身も不安だらけだった。

  • 労基署に言っても動いてくれないんじゃないか?お役所仕事なんじゃないか?
  • 労基署に友人の名前を出したら、会社にバレて解雇されるんじゃないか?

いろいろ調べてはいたが、この不安は拭えなかった。
労基署に行った経験がなかったからね。

けど最終的には
労基署が使えるところかどうか知らんが相手も人間だ。
真剣に想いを言えば伝わるはず。

万が一、友人の名が会社にバレて解雇されたら、労基署相手に裁判を打つ。
それぐらいの意気込みで、労基署に電話して足を運んだ。

労働基準監督署に行ったらどうなるか?労基署の対応は?

電話でアポイントを取って、労働基準監督署に足を運んだ。
不安だらけだったから、労基署を敵だと思っていざ出陣。

現在の友人の状況と今までの流れを説明した。
このままでは友人は潰れると真剣に話した。

敵だと思って挑んだ労基署だったが、担当者の反応は真逆。
とても真剣に話を聞いてくれ、全て記録にしてくれた。

そして2つの約束した。

  • この件は労働基準監督署として必ず動くこと。
  • 友人の名前が会社にバレることは絶対にないこと。

もし友人が真面目に働いているのに、解雇されることがあったら力を貸すとまで言ってくれた。(今思うと解雇になった場合、労基署が何の力を貸せるのだろう?と疑問に思うが、この言葉はありがたかった)

ほっと安心しながらも、今後の行方に注視した。

労基署にチクった後、友人の職場の変化

2・3週間ぐらい経った後。
会社の雰囲気が変化したらしい。

その後、会社はどう調整したのかは分からんが出荷の台数も減った。

友人の残業も減った。
減ったがそれでも80時間ぐらいはあった。

けど会社側だって急に人は増やせない。
お客があってこその商売。そのことは理解しないといけない。

それに残業を沢山している人は理解してもらえると思うが、残業80時間と100時間では疲れは倍違う。

残業100時間と120時間では更に倍疲れがたまる。
この当たりまで来ると余暇を削るのではなく、睡眠時間しか削るところがなくなって来るんだよね。

少なくても労働環境は前進したこと、友人の体はちょっとは楽になることで安心した。

半年後に元に戻る労働環境。サイコロの目は振り出しに戻る

半年が経過すると友人の残業時間はまた100時間を超えだした。

この間に最終検査する部署の人数は2人から3人へとなったが、そのひとりは新人。
まだひとりで仕事が回せない状態で、出荷台数が増えていった。

時期的な問題かもしれないし、一時出荷台数を減らしたあおりかもしれない。
とにかく振ったサイコロの目は半年後には「振り出しに戻る」だった。

もう一度、労基署を使うか?という話になったが友人からストップが入った。
「実はいろいろ考えたが、やっぱり転職するわ。営業みたいことやってみたいし」
と言ってきた。

その半年後に友人は会社の退職し、残業地獄からの脱出をした。

退職後の友人はどうなったのか。後を引く罪悪感

この友人は実は同じ高校なんだ。
プロフィールにも書いたけど偏差値は40ちょっと。

県内の人であれば不良が集まる悪い学校だということは知っている。
友人も不良ではなかったが、このレッテルはこびり付いて剥がれない。

オレも昔はこのレッテルを爪でカリカリやって落とそうとしたけど、どうやら頑固な汚れみたいだ。

案の定、就職先はすぐには決まらなかった。

自分自身が転職の経験もなく、履歴書や職務経歴書に対してアドバイスはできなかった。
仲間内で集まっては、いろんな求人を見て「あんな仕事もあるぞ」とか言い合うことでフォローしていた。

いくつか仕事を進めたが、その内のひとつが消費者金融だった。
友人は興味を持ち、消費者金融へ入社することになった。

消費者金融というと初めにアイフルやアコムとかの名前が出ると思うが、それよりちょっと格下の会社だった。
でもテレビCMをやっている会社。

仕事は楽しくやっていたが数年後、潰れることになる。

余談 消費者金融会社が潰れたわけ

当時、クレジットカードや消費者金融からお金を借りる利息は年利29.2%だった。
闇金を除いてはそれ以上もなかったし、逆にそれ以下もなかった。
これは出資法という法律で定められた金利の上限値が29.2%なんだ。

けど、実はこれは法律違反。
もうひとつ法律があって利息制限法というのがある。
その条件は最大でも年利20%。

けど利息制限法には罰則がないんだよ。
これが法律のグレーゾーンと呼ばれるところ。
罰則がないんだから守る人はいないよね?

現に罰則のない法律ってたくさんあって、誰も守ってない法律がある。

例えば自動車の12ヶ月点検。
12ヶ月点検を受けないと法律違反なんだ。

だけど罰則はない。

自分を含めて周囲の人も「必ず12ヶ月点検を受けています」という人を知らない。

中には「12月点検?何それ」という人もいるだろう。
(車検は受けないと罰則あるよ)

ところが当時、ニュースを見れば「悪徳金融会社の実態」なんて番組をやっていた。
夜に玄関の前で「おらっ!居留守すんなよ!」という録音テープが流れるニュース。

社会的に絶対悪になったんだね。
利息制限法の違反であったが、金を返さない人はか弱い子猫、返してもらえない人はハイエナのような報道。

それと同時に「電話一本でOK。あなたの過払い金を返金させます。○○法律事務」というテレビCMが流れ出した。

その影響で利益を失って倒産。

まぁ法律違反だから当たり前なんだけど、その職業を進めた者として気が重かった。
先を見る目がないというか・・・。
当時、友人に謝ったんだ。

そしたら「先のことは誰にも読めん。しょうがないよ」と笑って許してくれたけどね。
マジすまねぇ。

今ではどの会社も金利は20%以下になったよね。

ちなみに過払い金を返してもらうのに法律事務所なんて必要ないよ。
あんなの個人でできるレベルだよ。

テレビを付けると「電話一本で過払い金が返済できます」なんてCMがバンバン流れているけど、あれは能力の低い弁護士が金目当てで貧乏人から更に金を取る仕組み。

裁判したら誰だって勝てる。
弁護士なんか必要ないよ。

相手は明らかな違法なんだから。

自分で主張すれば弁護士を雇う必要はない。
「利息制限法に違反しているので、過払い金の返金を求めます」って裁判で言うだけ。

裁判官は利息制限法違反を知っていて「違反しても良いよ」なんて口が裂けても言わないよ。

裁判官は感情で裁くわけじゃなくて、法律に照らし合わせるだけなんだから。

友人が退職した超過勤務だらけの会社はどうなったのか?

残業だらけの元友人の会社。
友人が退職してから1年後、再びこの会社に労基署が入ることになる。
たぶん社員かその家族が労基署に告発したんだろう。

その結果・・・。
残業規制が入り今では残業40時間以下。社員全員が。
見事に変わっちまった。

先日友人に「前の会社だいぶ良くなったらしいな。おれが会社辞めろって言ったけど先走りだったかな」と言った。

そしたら「先のことは誰にも読めん。しょうがないよ」と笑って許してくれた。
2度目のマジすまねぇ。

私たち働く側は会社と法律とどう向き合えばいいか

知っている人も多いと思うけど、労働基準法には36協定というのがある。
残業制限でよく言われるのが「1年間で320時間以内」という言葉。
詳しく知りたい人は「サブロク協定」で調べてくれ。

「サブロク協定があるから違反だ」って目くじら立てる人もいるけど、それはちょっとと思うんだ。

会社は利益を上げないと給料が払えない。
売るのためにはライバルに勝たないといけない。
労働環境がいいけど、ライバルに負けて続けたらそれは企業としてどうなの?って思うんだ。

ただ体に支障がでるレベルなのに、まったく改善されない会社は別。
転職するか徹底的に戦うべきだと思う。
けど、1人で声をだしても会社は何も変わらない。
労働組合なんて機能している会社の方が少ないよね。

そういう場合は労働基準監督署を利用すればいい。
全国の労基署がちゃんと機能しているかは分からない。

けど、今まで3回お世話になっているが、どの担当者も親身になって聞いてくれ、そして動いてくれた。
(おまえ他にも労基署に行ってるんかい!)

少なくても会ってきた人は悪い人じゃなかったし、損はなかった。

もし身近に残業に苦しむ人がいたら、ちょいとチカラを貸してあげてみないか?
たまには人助けも悪くないよ。

参考:サービス残業は許さん。裁判で残業代を請求した話【体験談】

参考:求人に書かれている残業時間の嘘を見破れ

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