異業種転職するなら志望動機が重要。失敗した男の話

異業種転職はハードルが高い。

若い時はそんなに気にすることではないが、30歳に近づくと厳しくなってくる。

とは言っても落ち目の業界、そして下降線を下る会社に勤めている人もいる。

そんな会社で働いている人は「異業種転職は難しい」とか言ってられない。

学生で就職するときに「この業界に先は無いな」って思えないよね。

多くの学生は業界の今後、業界内の会社の立ち位置はおろか、仕事内容ですら分からなまま入社してしまう。

で「あ!この会社・・・いや業界の選択に失敗したかも」と本気で思う頃には、異業種転職がぎりぎりの年齢。

学生時代に先を読むことはできないのだから、これって運だよ。
と愚痴っていても何も始まらん。

前を向くしかない。

そう言って新しい業界にチャンレジした友人がいた。
そして彼はある失敗によって不採用になった・・・。

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異業種へ転職しようとした友人

当時の友人の年齢は30歳。
彼は広告代理店の営業を行っていた。

広告代理店って大手は、とんでもなく利益を上げている会社もあるが、地元に根付いた中小企業の経営は厳しい。

インターネットの普及によって雑誌や紙で広告を見ることも減ったよね。
そもそも新聞も売上部数も減っている。

友人の会社は入社して数年でボーナスがなくなった。

初めは同じ広告業である同業種の転職を考えていたが、業界の厳しさとまだ30歳ということで新しい業界に目を付けた。

その業界は建築リフォーム業界。
職種は営業。

彼は日本の住宅は古くなっているが、立て直すお金は厳しい人が多い。
だからリフォーム業界が盛んになる、と考えたらしい。

それに加えて彼には、この業種を選んだ2つの動機を持っていた。

ひとつは昔からマイフォームに憧れを持ち興味があったこと。

もうひとつは東北大震災。
多くの人が地震の怖さを知り、彼の住んでいる地域にも被害があった。

そこで「耐震補強により人の命を守れるのではないか?」というのが動機になった。

結果的にこの2つ目の動機が失敗に繋がることになる。

異業種転職へ意気込む友人

転職を考えているという話は以前から聞いていた。

ある時その友人から電話があり

「悪いけどオレの職務経歴書を見てくれない?」

「まぁ、いいけど何かアドバイスが出来るか分からんよ」

「いいだよ。第三者から見てどう思うか?を聞きたいだけだからさぁ」

「だったらOKだ。ちょうど買い物終わったから帰りに寄るわ」

彼の家につき職務経歴書を見ると「おお!」と思う内容。

営業とは言え、さすが広告代理店で働いていただけはある。
文章はキレイだし、アピールポイントも明確でしっかりしていた。
自分が培った営業としての経験談が多く並べられていた。

「悪いけど、この職務経歴書を見せられたらアドバイスはないよ」

「そうか、じゃ悪くないってことだな」

「けどさぁ、志望の動機が書いてないよね?」

「やっぱり必要か?」

「そりゃ必要だよ。ましてや異業種へ転職するんだから明確な理由がバシっと欲しいよな」

「でも自分の口で伝えたいって気持ちがあるんだよなぁ」

「そうか。それが作戦であればいいじゃないか?」

そんな会話をして別れた。

面接で志望の動機を堂々と語る友人

応募したリフォーム会社に向かい、いざ面接。
面接は和やかなムードで進み、手応えを感じていた。

面接は中盤を迎えたときのこんな質問があった。

「履歴書にも職務経歴書にも志望の動機が書かれていないようですが、どのような動機で応募されたのでしょうか?」

友人はこの質問を待っていた。

ここが勝負の時。

そこで友人はこんな発言をした。

「大震災によってこの地域も被害があり、家を守るという事は人を守る事だと痛感しました。

今の日本には古い建物が増えていますが、立て直す経済的な余裕がある人は少数です。

そこで私は御社のようなリフォームを専門に扱う御社のような会社に入り、耐震補強の重要性を訴え、安心を買って頂く、そんな営業を目指したいと思っています」

将棋で言えば王手。

内定をもぎ取る決め手となる言葉。

しかしこれが仇となる。

面接官が少しの沈黙の後にこう返した。

「安心を買って頂くですか・・・。

確かにリフォームには耐震補強と言うものがあります。

例えば柱の強度を上げたり、腐っている壁を補修したり、屋根を軽くしたりと。

あの震災で一般の方は耐震というのに興味を持ち、問い合わせを頂くことも増えています。

しかし我々もあの震災で同時に肝に銘じた事があります。

それは「耐震補強すれば安心だ」と言う言葉を軽々に使わないことです。

我々は元の家の設計を知らない。
材料も推定しかできません。

つまり保証はまったく出来ないのです。

これがリフォーム業界の現状です。

しかしリフォームだけの話ではありません。

新築においても大差はありません。

新築では一部「耐震保証」とという言葉を使う会社もあります。
ただ中身をよく見てください。

保証の内容や期間は「これで保証と呼べるのか?」という内容になっています。

だから我々はデザインや居住性に重視したリフォームの提案に力を入れています」

・・・。

・・・。

・・・。

しくじった。

痛恨。

人前に立つこと、話すことに自信を持った営業マンでも返す言葉がなくただただ無言。

なんせ志望する動機が失ったのだから。

単純に「マイホームに憧れがあり・・・」と発言した方が良かったのかもしれない。

「異業種の転職の難しさ」とはなんだ?

異業種転職が難しいと言われる理由は、志望の動機が明確にしなければならないから。

前職が同じ業種であれば「私は学生時代からこの業界に入りたいと思い、今もその気持は変わりません」と言えば良いのだから楽。

異業種転職の場合は、志望の動機がはっきりしないと「お金稼げればどこでもいいの?」と思われる。

もちろん「仕事って金だろ」と言われればその通りだけど、それは仕事に就く動機であって、その業種を選んだ動機ではない。

目的意識が強いほど「辞めない人材」と思われる。

動機が強い人ほど「踏ん張りがきく人材」と思われる。

これって採用を担当する側から見ると安心に繋がる。
採用する側に取って一番の痛手は、採用後に退職されてしまうこと。

すぐに辞めると思われないために、業界の勉強が必要になる。

友人が社会人の経験が少ない20代前半であれば「仕方がないよね」と多目に見てもらえたかもしれない。

けど30代になり社会経験も積み、目指す業界のことを知らなかったら勉強不足、と思われる。

しかも異業種への転職にはとても重要な志望の動機を間違えた。

このダメージは大きい。

志望動機がズレた人は、会社側から見ると「事実を知ったら辞める可能性が高い人」に映ってしまうんだ。

そんなリスキーな人材が採用される訳がない。

ズレた志望の動機を語る人は採用されない

的が外れた志望の動機を語る人は友人だけではない。

転職する前の会社では面接官をしていた。
業界はものづくりで自動車部品を作る中小企業。

そのとき採用面接した人はこんな志望の動機を語ってた。

「若い人の中では珍しいと言われるのですが、私はスポーツカーが大好きです。

私のように車が大好きで似た思いを抱いている人が、楽しいと思える車。

そんな一端を担える仕事がしたくて応募しました」

これはオレより年上の40代、50代は共感できる言葉。
その世代はスポーツカーに憧れた世代。

けどね。

自動車部品メーカーにどんな車を作るのか?の権限はないんだ。

じゃ、完成車を作るトヨタ・日産・ホンダ等にその権限があるのか?と言われたらそれもない。

誰が決める権限を持っているのか?

それは車を買う人。

車を乗る多くユーザーが「スポーツカーはいらん」と言っているんだよ。

求められている車は軽自動車かファミリーカーの2択。

仕事である以上、趣味とは違う。
「この現状を知ってモチベーションが続くのか?」っと心配になるんだ。

だから採用されない。

少なくても転職においては、若手を超えた段階でズレた志望の動機を言うと採用は難しいのよ。

志望の動機には何を書くべき?

そもそも志望動機には何を書くべきなんだろう?

それは「自分がこう成りたい」とか「こんな会社で働きたい」とかちょっと先の未来を想像して書く。

そこに「なぜそう思ったのか?」「実現の為には何をすれば良いのか?」を肉付けすると立派な志望動機になる。

難しいのはズレてない未来を想像すること。

未来を予測するためには、現在を知らないといけない。

今のスマートフォンを知らないのに、今後の携帯はどうなるのかを予測は出来ないよね。

つまり異業種転職の攻略には「業界の現状把握」が必要ってこと。

これって大切な事。

異業種転職の一歩目は業界の勉強

業界の事を知るためにはどんな方法があるのか?

企業のホームページや求人には建前の情報しかない。

業界雑誌を読んだり新聞から情報を得るのも一つの方法。
またその職業で勤めている個人が作っているサイトを見るのも悪くはない。

けど、これってやっぱり時間が掛かるんだよね。

雑誌も新聞もインターネットも情報は一方通行。
対話形式じゃないから、知りたい情報にたどり着くまで時間がかかる。

インターネット掲示板という手もあるが、相手がどんな人なのか分からないと信憑性もないよね。

ここでリフォーム会社に不採用になった友人が行った異業種の情報入手方法を紹介する。

友人が実行した業界情報入手法

友人が考えていた志望の動機のうちの1つは完全に見失ったが、それでも諦めきれなかったらしい。

まぁ、職業としての志望の動機がどうであれ、飯を食わないとならんからねぇ。

そこで「効率良く業界の深いところまで知る方法はないだろうか?」と考えた。

そこで思い付いた方法は、お客のフリをしてプロに話を聞くこと。
自分が購入する立場になって真剣に質問すること。

リフォーム会社っていうのは個人がメインのお客。
だったらプロの営業マンに直接話しを聞ける環境があるはずなんだ。

お客は知識が豊富なプロとすぐに会うことが出来るんだよ。

だったらそれを利用すれば良い。

文字を読むのと、目の前に営業マンがいて話を聞くのでは情報量が違う。
自分が知りたい情報は質問すれば何かしらの回答がある。

皆さんも販売員や営業と話し込み、相手の反応を見ると「あ、質問から逃げたな」とか「自信が無さそうだな」とか感じるだろう。

そんなところに業界の人しか知らない情報があったりするもんだよね。

これはとても泥臭い方法だけど効果的だよ。

皆さんも異業種の転職を狙っていて、その業種が個人商売だったらやってみてはどうでしょうか?

何も机の上で行うことだけが勉強じゃない。
足を使う勉強方法もあるよ。

おさらい

  • 異業種への転職は、志望の動機が最重要になる。
  • 志望の動機を書くためには、転職先となる業界の流れや利益を生む仕組みを知れ。
  • 業界の情報は、自らがお客となりプロに話を聞け。

参考記事
異業種転職でも職務経歴書でアピールする方法はある

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