転職は年齢制限をオーバーしても採用を諦めることはない

転職には適齢期がある。
一般的には25歳~32歳が転職に有利な年齢と言われている。

少し前は多くの求人に年齢制限があったが、現在では年齢制限の記載がある求人は少ない。

年齢制限が書かれてないということは、年齢を気にしない会社が増えていると思ってしまう。
しかし実際にはそんなはずはなく、年齢を気にしない求人には「年齢不問」としっかり書いてある。

本当は年齢制限があるのに書かれてないので、応募しても書類で何社も落とされる人が増えている。
転職者にとっては無駄に応募させられている状態。

では、なぜ年齢の記載がなくなったのか?
転職者はどうすれば良いのか?

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法律の大失敗。会社は求人に年齢制限ができない

会社の本音は求人に年齢を記載したい。
記載しないと求めていない世代の人もたくさん応募され、書類選考に手間が掛かっている。

そして転職する側もどうせ不採用になるなら、候補して検討するのが無駄。

この両者の意見が合致しているのに、年齢制限が書けないのには法律がからむ。

その法律は雇用対策法10条。

 

ーー雇用対策法10条(面倒だから読まなくてもOK)ーー

事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。

平成19年(2007年)10月1日に施行

 

何が書いてあるか簡単に説明すると「求人募集のときに年齢の制限せず、おっさんやおばさんも雇え。だから働けなく生活保護が増えて財政がやばいんだろうが」と言っている。

平成19年(2007年)に施行され年齢制限の禁止は義務となった。
しかしこの法律がやっかいなのは例外を認めていること。

求人の年齢制限には例外を認めている

年齢制限がなく何歳になっても採用の窓口が開いていることは、働く人によっては良い事である。

けど、例外を認めているから無意味な法律となっている。

その例外とは

—雇用対策法の例外(これも面倒だから読まなくてもOK)–
長期間の継続勤務による職務に必要な能力の開発及び向上を図ることを目的として、青少年その他特定の年齢を下回る労働者の募集及び採用を行うとき

簡単に説明すると「長年働くことによってスキルアップする職業は、年齢制限があってもしょうがないよね」と言ってる。

長く働くことで知識や経験が増えない仕事など、このご時世どこにあるのだろうか。
そんな単純作業の仕事は海外に行き、アルバイトやパートでも長く働ける人は重宝される。

だから会社は「年齢:35歳以下」と年齢制限し、その横に「(長期継続によるキャリア形成するため)」と付け加えて普通に年齢制限した求人を出していた。

そして法律は違反しても罰金(刑事罰)がない。

つまり「作ってはみたが意味が無い法律」と化した。

就職氷河期の影響で潮目が変わる

しかしここ数年で潮目が変わった。

それは就職氷河期の影響。
就職氷河期は1993年~2005年に就職した世代。
この頃に派遣という働き方が盛んになり、一度も正社員で働いたことがない人がたくさんいる。

派遣で長く働くと会社からは「責任をもった仕事を経験していない」と思われ、転職市場では冷遇されてしまう。

そうすると・・・この世代はずっと正社員で雇用されないまま。
国はこの世代にもたくさん稼いでもらわないと税収は増えていかない。
(結婚できない人も多く、少子化の原因になっている)

そこで国は「やっぱりうそ!間違ってたわ。法律の解釈をつけます」と言い出した。

その解釈とは「長期において働かせキャリアップさせる事が目的であれば、経験不問じゃきゃダメ」という発想。

会社はみんな「はぁ?じゃ、法律にそうやって書けよ」と総ツッコミを入れたが、日本では「無理やりだがこういう風にも読める」という解釈で決まる法律がたくさんある。

そして法律違反しても罰則はないが、コンプライアンスが厳しくなった今、各会社が守りつつある。

だから年齢制限する場合は実務経験者を募集できない。

例)
・「年齢18歳~30歳まで。経験不問」はOK
・「年齢18歳~30歳まで。実務経験3年以上」はNG
・「年齢不問。実務経験3年以上」はOK

しかし法律の解釈により、笑ってしまうぐらいに問題が続出。

年齢制限ができなくなり多くの会社が困る

現実に即していない法律を作ったもんだから、困っている会社がたくさんある。

分かりやすい例を出すとイベントコンパニオン。

イベントコンパニオンとは展示会のイベントやセミナーで案内やパンフレットの配布をするが仕事。よくモーターショーやゲームの展示会で女性が水着を着ている。

この仕事も年齢制限が出来ないし、男女雇用機会均等法によって女性のみの募集もできない。

なぜ展示会に水着姿の女性が必要なのか理解できないが、だからと言っておっさんが水着で立たれても会社にデメリットしかないのは理解ができる。

だから求人には「若い女性&学生が多数活躍中!」とか書いて、対象外の人から応募されないしている。

一般企業でも似たような事が起きている。

一般の会社にとって年齢制限するメリットは

  • 会社内の年齢バランスを取りやすい
  • 年上の部下は扱いにくい
  • 若い人ほど給料を抑えても応募がありコストを下げられる

会社側にはこのようなメリットがあり年齢制限したいが、今のルールでは書けない。

書けないだけで、希望対象外の年齢の応募があった場合は書類選考で不採用にしている。

高い年齢の人を就職させやすくするために出来た法律のせいで、転職者も会社も無駄が増えて苦しんでいる。

昔とは変わった。会社が求める年齢層

法律の文句を言っても始まらないので明るい話題を。

年齢が高いと厳しい厳しいと言われる転職市場において、採用される年齢は上がってきている。

その理由は日本の高齢化社会と関係する。

下記のグラフは「日本の平均年齢の推計」。

平均年齢の推計

2000年(平成12年)では平均年齢は41.4歳だったが。2018年になると47.4歳。
高齢化社会に伴い働く人の平均年齢も上がっている。

ひと昔前は40歳になって役職に付けない人なんていなかったが、今は40歳で平社員(部下がいない)が普通になってきた。

面接官も高年齢化。
会社としは問題視していた「年上の部下は扱いにくい」というのも、教える人も高年齢化のため採用の幅も広がっている。

けど、どれぐらい年齢の幅を広げたかは、会社によってまちまちで求人を見ても分からない。
だから転職エージェントを利用する価値が高まっている。

会社は転職エージェントに伝える希望の年齢層

前に勤めていた会社では面接官をしていて求人募集する側として、転職エージェントを使ったときがある。
募集要項として「どんな人材を求めているか?」を伝える。

その内容には実務経験3年以上という要望もしていたし、年齢制限についても要望した。
そして転職エージェントで求人を探す人も、登録するときに生年月日を記入する必要がある。

転職エージェントの仕事とは、会社と転職者の希望をマッチングさせること。
このマッチングには年齢も含む。

会社は転職エージェントを使えば余計な書類選考がなくなり、転職者は内定する可能性がない会社へ応募しなくなり、互いに手間が減る。
つまり現実に即していない法律のせいで、転職エージェントの利用価値が高まっている。

若い人は経験が少ないから会社にアピールできることも少ない。
こういった人は転職エージェントの利用価値は薄い。

逆に経験が多く年齢が高い人ほど、転職エージェントを利用する意味が生まれる。
経験が多い人は、転職エージェントとしては売り込むポイントが増え力の見せ所になる。

会社はある程度、希望の年齢層を決めているが明確な基準ではなく、なんとなくの基準。
交渉しだいでひっくり返せない話ではない。

ただし履歴書で年齢を見られて「選考外」とされたら終わり。
「いや、内容を見て決めてくれよ」と交渉するのは転職エージェントの仕事である。

そしてどの転職エージェントが良いかは、転職希望者不足で困っている会社。
今や多くの県で求人倍率が1.5倍程度あり、バブル期と変わらないぐらい高い。

転職エージェントも転職者不足になっている。

それを見極める方法が「希望の地域」+「希望の職種」で多くの求人があるかどうか。
求人数が多いということは、新規で登録する転職者より、求人を出す会社が多いと言える。
(参考:転職サイトの求人数を地域別・職種別に比較

転職は年齢制限を超えても採用を諦めるな

転職において年齢が高いというのは、ハンディキャップである事は間違いない。
しかし年齢が高いというのは、それだけ経験も豊富だということ。

つまり問われる能力は、自分の能力をどうやってアピールするか。

20代前半であれば経験が少ないから、自分のスキルや経験を一覧化すれば良かった。
しかし年齢が高いと「多くの経験の中からどの経験を書けば良いか分からない」という事態に陥る。

自分を持っている能力を並べるのではなく、相手が欲しい人材を想像し、それに適した能力を伝えることが重要になる。

年齢の許容範囲が広い会社にそれができれば採用は必ず近づける。
年齢が高いという理由で諦めるな。

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