将来が不安なら手に職を付ける仕事を選ぶべきか?

今回は「手に職を付ける仕事ってどうよ?」について。

転職する理由でもっとも多い動機って「将来の不安」らしい。

確かに先を考えると「10年後に今働いている会社があるのか?」なんて思うよね。

先の見通しいが明るい業界なんて、なかなか見当たらない。

定年までちゃんと働けているのか?
老後は年金は貰えるのだろうか?

金がなく露頭に迷ったりしないだろうか?
今の旦那と離婚したら収入源はどうするの?

真面目に考え出すとキリがないほど不安はある。

類に漏れずオレも将来が不安だったひとり。
10代、20代のころは特に。

そこで、学もなく特技もないオレが考えた対策は2つ。

  1. 資格を取得して安定した仕事に就く
  2. 手に職を付ける系の仕事を選ぶ

正直、勉強はできなかったから資格より「手に職を付けること」の方が、近道だと思ったんだよね。

だから「将来は特殊な技能を身に付けられる仕事に就く」と思っていた。

けど、その道はとても険しい道だと教えてくれた人がいた。

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私が見た初めてのリストラ。特殊技能を持つ叔父

まだ学生のころの話ね。

当時、叔父は自動車整備士の仕事をしていた。
整備士と言っても普通の自動車ではなくて、重機やトラックなどの建設機器を修理する専門の仕事。

いわゆる技能工とかメカニックって呼ばれる仕事。

名前のかっこ良さもあり、将来安定した仕事だと思っていたから憧れがあった。

しかし当時は土木建築業界の公共事業が減って、体質改善が求められた時代。
重機やトラック業界も引きづられるように下火になった。

けど、みんな「不景気、不景気」と言っていたが、実感はなかっただよね、特に田舎では。

そんなある日、オレは用事があって叔父の家に遊びに言ったときのこと。

いつもと変わらぬ風景に突然、叔父は仕事を早退して帰ってきた。
帰ってすぐに発した言葉は「解雇になった」だった・・・。

叔母はもともと明るい性格。
「大丈夫。大丈夫。お父さんは整備の腕があるんだから」

俺もそう思った。
なぜなら手に職を付けた人は強い。

それから数カ月後。

叔父の家庭は一変していた。
家は電話が鳴り止まない。

叔父も叔母もこの子供も誰も電話を取らない家になっていた。

どうやら無職になった叔父は「パチンコ勝った」と嘘を付き、消費者金融から多額の借金をしていた。

もともとパチンコ好きではあったが、素人が簡単に勝ち続けるはずもなく、複数の会社からの借金。

そこ中にヤミ金融もあった。

電話どころか夜にドアが叩く音も日常的。

可愛そうなのは子供で、どんどん暗い顔が増えていった。

「叔父はなぜパチンコばかりやって、家族に迷惑かけ新しい仕事に就かないのか?」が理解出来なかった。

我慢ができず母親に聞くと「どこでも行けるなら仕事はあるらしいけど、重機の整備士という特殊な仕事だから、こんな田舎ではそもそも会社がない。会社があっても求人募集していない」と教わった。

叔父と同じように手に職を付けようって思っていたオレはショックだった。

特殊技能を身に付け特化した経験だからこそ、他の職では全く通用しない人材、それが叔父だとなんとなく気づいた。

手が早いだけで食うには困らないと言った母

オレにとって、叔父の他に仕事の話を聞けるもう一人の存在は母親。
父親は物心付いたときには離婚していて、他に話しを聞ける人がいなかったんだ。

しかし母親は中卒。

けど、不思議と母は転職を繰り返すも、一度も仕事に困ったことはない。

オレはこれが不思議でならなかった。

なぜ中卒の親が転職できるのか?
そもそも他の人と同じように仕事が出来ているのか?

学生のオレは母親にダイレクトに質問をぶつけた。

「かーちゃんは中卒なのに仕事になんで困らないの?」って。

そしたらシンプルな答えが帰ってきた。

「かーちゃんは手が早いから。他の人が亀でもハパっと仕事を終わらせちゃうからだよ」

どうやら母親は何をしても作業するスピードが早いらしい。

理由はただそれだけ。

加えて「だから、かーちゃんはこっちの会社おいで、あっちの会社おいで、って誘われちゃうんだよ」と自慢げに話していた。

重機の修理という特殊技能を持った叔父に仕事はない。
しかし手が早いだけの母には仕事がある。

学生のオレにはちっとも理解できんかった。

仕事における価値とはなんだ?

ちょっと器用で手が早いだけで食うに困らない母。
特殊な技能を持つが仕事先が見当たらない叔父。

この差はなんなんだろう?

それは「価値」の差だと思う。

では価値ってなに?って話。

価値とは「欲しがる人数とその人達の熱量」で決まる。

今、日本で売れている商品と言われ、すぐに思いつくのはアップルのiPhoneかな。

iPhoneの発売日には前日から並び、8万円もする商品買うために並ぶ人がいる。
これってiPhoneを欲しいと思う熱量が高い人が大勢いるってことだよね。

叔父は20年以上、メカニックの道一筋でやってきた男。
それなりの技術はあったが、少なくても田舎の土地では求める人がいなかった。

反して母親は、特別な技能は一切ないが、多くの仕事で汎用性が高い「早く物事を処理できる」という能力を持っていた。

これって安定して飯を食えるのはどっちよ?

最近知り合った元美大生の話

価値というのは他人が決めるもの。

知り合いで美術系の大学に進んだ奴がいる。

そいつに「同じ大学で今、絵で飯が食えている奴は何人いるの?」って聞いたら「Webデザイナーとかで可愛いキャラクターを描いている奴はいるが、いわゆる芸術的な仕事で言ったらゼロかな」と答えた。

20代にはまだ絵の道に進む人もいたが、30代後半になるとゼロになるらしい。
理由は家庭を持ち子供を授かり、家族を養う責任があるからだ、そうだ。

話聞いてひどい世界だなって思ったよ。

学校があり、その道に進めば飯が食えると思うよね?
生物学系も地学も経営学も、みんなその道には進めない人ばかり。

専門学校でさえ、卒業後してその道に就職できない分野もたくさんある。

これって学生では気づくことが難しい。
親が教えるしかないんだよね。

専門性が高い手に職を付ける系の仕事って

営業職は転職しやすい業種。
その理由は、職種が変わってもある程度応用が効く。

いや、実際には職種が大きく違うと応用は難しいだけど少なくても「応用が効く」と思われている。

それに対して、手に職を付ける系の仕事は専門性が高い。
専門性が高い仕事とは、逆を言うと他の仕事に転用出来ない能力を磨く。

そして就職への窓口も小さく、閉ざされている仕事が多い。
就職できてもその会社が良いとは限らんから転職できないリスクを常に抱えることになる。

だから専門性が高い仕事ほど「転職できる会社があるのか?」と「その職種の寿命は?」をしっかり知らないといけない。

好きな仕事を諦めろって意味じゃないよ。

安定を望んで「手に職を付ける職業」を選ぶ場合は、リスクを知って決断した方が良いよって意味ね。

リスクを知らず突き進む人は、周囲から止められたり後ろ指を刺されてしまう。
リスクを知りそれでも立ち向かう人は、応援せざるえない、そんな気持ちになってしまう。

おさらい

  • 特殊な技能を身に付く仕事は専門性が高い反面、汎用性がなく転職が難しい
  • 仕事とは以外と単純で、人より手が早いというだけで食うには困らない
  • 仕事選びは「もしこの会社が潰れたら道があるのか?」も考えろ
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